「あれ…今入れたのって軽油?それともレギュラー?」
給油ノズルを戻した瞬間に、ふっと不安になることがあります。特にレンタカーやカーシェア、普段乗らない家族の車だと起こりやすいんですよね。
ガソリンの入れ間違い(誤給油)は、実は珍しいトラブルではありません。でも本当に怖いのは、“間違えたこと”そのものよりも、そのあとの行動です。
- エンジンをかけてしまったけど大丈夫?
- 少し走ったけど問題ない?
- 修理費はいくらかかるの?
こうした疑問に、順番に答えていきます。
ディーゼル車にガソリンを入れた場合と、ガソリン車に軽油を入れた場合では、壊れ方も修理費もまったく違います。そして何より重要なのは、「どのタイミングで止められるか」です。
エンジンをかける前なら助かるケースも多いですし、逆に“ちょっとだけ”走ったつもりが、修理費30万円コースになることもあります。
燃料の仕組みから、症状の見分け方、今すぐやるべきこと、再発防止まで。順番に整理していきますね。
【結論】誤給油は「走ったかどうか」がすべてを決める
まず一番大事なことからお伝えします。
誤給油は、「走ったかどうか」で被害の大きさがほぼ決まります。
燃料を間違えたこと自体も問題ですが、本当に差が出るのはその後の行動です。
| 状況 | 被害レベルの目安 | 対応の緊急度 |
|---|---|---|
| 給油直後・エンジン未始動 | 低(抜き取りで済む可能性大) | 高(絶対に始動しない) |
| エンジンをかけただけ(未走行) | 中(燃料が回り始めている) | 非常に高い |
| 走行してしまった | 高(部品損傷の可能性) | 即停止 |
| 異音・黒煙・警告灯あり | 非常に高い | その場でエンジン停止 |
なぜ「始動」や「走行」が分かれ目になるのかというと、エンジンをかけた瞬間に燃料ポンプが作動し、間違った燃料が配管やインジェクターへ送られてしまうからです。
つまり、タンクの中にあるだけの状態と、エンジン内部まで回った状態では、被害のステージがまったく違うんですね。
特にディーゼル車にガソリンを入れて走行してしまった場合は、高圧燃料ポンプやインジェクターの損傷につながることがあります。ここまでいくと、単なる抜き取りでは済まなくなります。
逆に、給油後すぐに気づいてエンジンをかけていなければ、燃料の抜き取りとタンク洗浄だけで済むケースも多いです。
今の状況を冷静に振り返ってみてください。
- まだエンジンはかけていない?
- かけたけど走っていない?
- すでに走ってしまった?
この答えが、そのまま被害の大きさのヒントになります。
【今すぐ確認】誤給油してしまったかも?行動フローチャート
まずは落ち着いて、今の状況を整理しましょう。
大事なのは「どこまで進んでしまったか」です。
STEP1:エンジンはかけましたか?
- いいえ(未始動) → STEP2へ
- はい(始動した) → STEP3へ
STEP2:未始動の場合
今すぐやること:
- 絶対にエンジンをかけない
- キーONにもできるだけしない
- スタンドスタッフに申告する
- ロードサービスを手配する
この段階なら、燃料の抜き取りとタンク洗浄だけで済む可能性が高いです。
被害は最小限に抑えられるラインです。
ここが一番“助かりやすい”タイミングです。
STEP3:エンジンをかけたが、走っていない
今すぐやること:
- エンジンを停止する
- 再始動しない
- レッカー搬送を依頼する
エンジン始動だけでも、燃料ポンプは作動しています。
すでに燃料ラインへ回っている可能性があります。
ただし、まだ走っていなければ深刻化を防げる可能性があります。
STEP4:走行してしまった場合
次の症状をチェックしてください。
- 加速しない
- 黒煙・白煙が出る
- 異音・振動がある
- エンジン警告灯が点灯
1つでも当てはまる場合:
安全な場所に寄せて、すぐエンジンを停止してください。
「まだ走れそう」は危険サインです。
走行距離が伸びるほど修理範囲が広がります。
まとめ:あなたの今の最適行動
| 状況 | 最優先行動 |
|---|---|
| 未始動 | 絶対に始動しない・抜き取り依頼 |
| 始動のみ | 停止・レッカー |
| 走行あり | 症状確認・即停止 |
誤給油は、早く止めるほど軽症で済みます。
今この瞬間の判断が、修理費を大きく左右します。
自分の車はディーゼル?見分け方をチェック
誤給油の相談で意外と多いのが、「そもそも自分の車がディーゼルか分からない」というケースです。
ここを曖昧にしたまま給油してしまうと、ミスの確率は一気に上がります。確認方法はシンプルです。
① 給油口キャップを見る
いちばん確実なのはここです。
- 「DIESEL」と書いてある → 軽油車
- 「REGULAR」や「UNLEADED」と書いてある → ガソリン車
文字が小さいこともあるので、色だけでなく必ず文字を確認してください。
② メーター付近・インパネ表示を確認
最近の車は、メーター周辺や給油口オープンレバー付近に燃料種別が書かれていることがあります。
レンタカーの場合も、車内のどこかに表示があることが多いです。
③ 車検証(自動車検査証)を見る
もっと確実に確認するなら、車検証の「燃料の種類」欄を見てください。
- ガソリン
- 軽油
ここに明確に記載されています。
④ エンジン音で判断できる?
慣れている人なら音でも分かります。
- ディーゼル車 → カラカラ・コロコロとした音が出やすい
- ガソリン車 → 比較的静かで滑らか
ただし最近のディーゼルは静かなので、音だけでの判断はおすすめしません。
⑤ 軽自動車はどうなの?
ほとんどの軽自動車はガソリン車です。
国内で販売されている軽自動車にディーゼルはほぼありません。
「軽=軽油」という連想が一番危険です。
給油前に3秒確認するだけで、誤給油のリスクはほぼゼロにできます。
迷ったら、必ず文字で確認。これを習慣にしてください。
ディーゼル車にガソリンはなぜ危険?
誤給油の中でも、特に深刻になりやすいのが「ディーゼル車にガソリンを入れてしまったケース」です。
「同じ燃料なんだから、ちょっと違うだけでしょ?」と思われがちですが、エンジンの仕組みはまったく別物なんです。
軽油は“燃料+潤滑剤”という事実
ディーゼルエンジンには、高圧で燃料を送り出す高圧燃料ポンプやインジェクターといった、とても精密な部品が使われています。
ここで重要なのが、軽油は燃料であると同時に、これらの部品を潤滑する役割も持っているという点です。
- 軽油 → 潤滑性あり
- ガソリン → 潤滑性ほぼなし
つまり、ガソリンを入れてしまうと、部品同士が金属摩擦を起こしやすくなるんです。
イメージとしては、オイルが入っていない自転車のチェーンを無理やり回すようなもの。最初は動いても、どんどん傷んでいきます。
ガソリンが“洗い流してしまう”もの
さらに厄介なのは、ガソリンがもともと付着していた潤滑成分を洗い流してしまうことです。
その結果、
- ポンプ内部が摩耗
- 金属粉が発生
- 燃料ライン全体に拡散
という流れになることがあります。
金属粉が回ってしまうと、ポンプだけでなくインジェクターや燃料タンク内部まで清掃・交換が必要になるケースもあります。ここまで進むと、修理費は10万円以上〜30万円超になることもあります(車種や被害状況によります)。
どこまでがセーフライン?
判断の目安は次の通りです。
- エンジン未始動 → 抜き取りで済む可能性が高い
- 始動のみ(未走行) → 燃料ラインに回っている可能性あり
- 走行あり → 高圧ポンプ損傷リスク上昇
実際の整備現場でも、「給油直後に気づいて始動していなかった」ケースは比較的軽症で済むことが多いです。
逆に、「少しだけ走った」が一番危険です。走行中は高圧で燃料を循環させ続けるため、損傷が一気に広がる可能性があります。

ディーゼル車にガソリンを入れてしまった場合は、迷わずエンジンを止める。これが最大の防御です。
ガソリン車に軽油を入れたらどうなる?
では逆に、ガソリン車に軽油を入れてしまった場合はどうでしょうか。
ディーゼル車ほど高額修理になりやすいわけではありませんが、安心はできません。エンジンの仕組みが違うため、やはりトラブルは起きます。
点火方式の違いがトラブルの原因
ガソリン車は、スパークプラグの火花で燃料を爆発させています。
- ガソリン → 火花で着火する前提の燃料
- 軽油 → 圧縮で自然着火する燃料
軽油はガソリンよりも重く、揮発しにくい性質があります。そのため、ガソリン車の燃焼室ではうまく燃えず、不完全燃焼を起こしやすくなります。
起こりやすい症状
軽油を入れてしまった場合、次のような変化が出ることがあります。
- 黒煙が出る
- エンジンの振動が大きくなる
- アイドリングが不安定になる
- 加速が鈍くなる
これは、プラグが軽油で“かぶる”ことで火花がうまく飛ばなくなるためです。
どこまでなら助かる?判断基準
ガソリン車の場合も、分岐点はやはり走行したかどうかです。
- 未始動 → 抜き取りで済む可能性が高い
- 始動のみ → プラグ清掃・燃料ライン洗浄で対応可能な場合が多い
- 走行あり → 触媒や燃料系に負担がかかる可能性
比較的軽症で済むケースでは、抜き取りと洗浄で1〜5万円程度で収まることもあります。ただし、長距離走行してしまった場合は別です。触媒やセンサーが損傷すると費用は上がります。
ここで一度整理
- ディーゼル車にガソリン → 潤滑不足で深刻化しやすい
- ガソリン車に軽油 → 不完全燃焼トラブルが中心
- どちらも「走らない」が最重要
「どっちのほうがマシか?」と聞かれることがありますが、正解は「どちらも走らないことが最優先」です。

少しでも違和感を感じたら、無理せず止める。その判断が修理費を大きく左右します。
【即判断】この症状が出たらエンジンを止める
ここが一番実践的なポイントです。
「もう走ってしまった…」という場合でも、被害を広げないタイミングはまだ残っています。
次の症状が出たら、その場で安全な場所に寄せてエンジンを切ってください。
① 加速しない・パワーが落ちる
アクセルを踏んでいるのにスピードが伸びない。
いつもよりエンジン音だけが大きいのに進まない。
これは燃焼がうまくいっていないサインです。無理に踏み続けると、さらに燃料が循環し、内部部品へ負担がかかります。
② 黒煙・白煙が出る
- ガソリン車に軽油 → 黒煙が出やすい
- ディーゼル車にガソリン → 白煙や異常燃焼音が出ることがある
煙が出ているということは、正常燃焼していない証拠です。
「少しだから大丈夫」と走り続けるのが一番危険です。
③ 異音・ガラガラ音・振動
エンジンから普段聞かない音がする。
アイドリングで車体がブルブル震える。
これは燃焼バランスが崩れている可能性があります。
④ エンジン警告灯が点灯
インパネにエンジンマークが出たら、センサーが異常を検知しています。
一時的に消えることもありますが、誤給油後に点灯した場合は無視しないでください。
判断ライン
「いつもと違う」と感じたら止める。
この感覚は意外と正確です。
走行距離が伸びるほど、燃料がエンジンの奥まで回り、修理範囲が広がります。

止める勇気が、数十万円を守ることもあります。
絶対にやってはいけないNG行動
誤給油に気づいたとき、人はつい「なんとかなるかも」と考えてしまいます。
でも、ここでの判断ミスが被害を大きくします。
特にやってはいけない行動を、理由とあわせて整理します。
① 少し走って様子を見る
これが一番多い失敗です。
「まだ動くから大丈夫」「家までなら帰れそう」
その数キロで、燃料がエンジン全体を循環してしまいます。
- ディーゼル車 → 高圧ポンプ摩耗リスク増大
- ガソリン車 → 触媒・プラグ汚損
動く=壊れていない、ではありません。
壊れ始めている途中、というケースが多いです。
② 自力で燃料を抜こうとする
最近の車はタンク構造が複雑で、簡単に抜ける設計ではありません。
- ホースを差し込めない構造
- 逆流防止弁がある
- 静電気による引火リスク
無理に作業すると、車両火災の危険もあります。
必ずロードサービスや整備工場に依頼してください。
③ 添加剤で“ごまかす”
「洗浄剤を入れれば大丈夫?」という質問を受けることがあります。
結論から言うと、誤給油は添加剤で解決する問題ではありません。
燃料そのものが違うため、化学的な補助では対応できません。
燃料の性質について詳しく知りたい方は、こちらも参考になります。
燃料の違いを理解すると、「ごまかしが効かない理由」も見えてきます。
④ そのままエンジンをかけ続ける
エンジンをかけるだけで、燃料ポンプは作動します。
「動かさなければ大丈夫」と思いがちですが、始動した時点で燃料は回り始めています。
違和感を感じたら、すぐにエンジンを切る。

これが被害を最小限に抑える基本動作です。
修理費はいくらかかる?現実的な目安
いちばん気になるのは、やっぱりここですよね。
「で、いくらかかるの?」という話です。
修理費は走行の有無と損傷範囲で大きく変わります。あくまで一般的な事例ベースですが、目安をまとめると次のようになります。
| 状況 | 作業内容の例 | 目安費用 |
|---|---|---|
| 未始動 | 燃料抜き取り・タンク洗浄 | 1〜5万円程度 |
| 始動のみ(未走行) | 燃料ライン洗浄・プラグ清掃など | 5〜15万円程度 |
| 走行あり(軽症) | インジェクター洗浄・部品一部交換 | 10万円前後〜 |
| 走行あり(重症) | 高圧ポンプ・インジェクター交換 | 30万円以上の可能性 |
特にディーゼル車にガソリンを入れて走行してしまった場合は、燃料系統全体に金属粉が回るケースもあり、部品交換が広範囲になることがあります。
ただし、車種・走行距離・混入量によって金額はかなり変わります。正確な見積もりは整備工場で確認するしかありません。
保険は使える?
誤給油は、任意保険の車両保険(一般タイプ)で補償対象になることがあります。
- 偶然の事故扱いになるケース
- 免責金額がある場合は自己負担あり
- 等級ダウンで翌年保険料が上がる可能性
保険を使うべきかどうかは、修理費と等級ダウン後の保険料増加を比較して判断します。
車両保険の仕組みがよく分からない方は、こちらも参考になります。

「数万円なら自費」「30万円級なら保険検討」など、冷静に数字で考えるのがポイントです。
再発防止策|同じミスを二度としないために
誤給油は、注意不足というより「思い込み」で起きることが多いです。
だからこそ、仕組みで防ぐのが一番確実です。
① 給油前の3秒確認ルール
私はいつも、給油前に次の3つを確認します。
- 給油口キャップの表示(REGULAR / DIESEL)
- メーター横のラベル
- ノズルの色
レギュラーは赤、軽油は緑が一般的ですが、スタンドによって配置は違います。
色だけでなく「文字」を見る癖をつけると、事故率はぐっと下がります。
② レンタカー利用時は必ず確認
レンタカーは特に危険です。
「軽自動車だから軽油」と思い込むミスが本当に多いんです。
軽自動車の“軽”は規格の話で、燃料の種類ではありません。
出発前にスタッフへ一言確認するだけで、リスクはゼロに近づきます。
③ 視覚的に防ぐのが一番確実
一番効果があるのは、給油口に燃料種別を明示することです。
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✅ Amazonでチェックする| ✅ 楽天でチェックする
給油口を開けた瞬間に「レギュラー専用」などと書かれていれば、思い込みが入り込む余地がありません。
家族と車を共有している人、カーシェアを使う人ほど効果的です。
④ 警告灯が消えない場合の次の一手
誤給油後にエンジン警告灯が消えない場合は、エラーコードの確認が有効です。
LAUNCH CRP123XV3.0 OBD2 診断機
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OBD2診断機があれば、どの系統に異常が出ているかを確認できます。
ただし、診断は補助的な手段です。異常がある場合は必ず整備工場で確認してください。
警告灯や始動不良がある場合は、こちらも参考になります。
レンタカー・カーシェア特有の注意点
レンタカーやカーシェアは、誤給油が起きやすい環境です。
理由はシンプルで、「自分の車ではない」からです。
普段乗っている車なら体が覚えていますが、借りた車は燃料の種類も給油口の位置も感覚がありません。
① 出発前に必ず確認すること
- 給油口キャップの表示(REGULAR / DIESEL)
- 車検証の「燃料」欄
- スタッフへの口頭確認
特に軽自動車は「軽=軽油」と思い込みやすいので要注意です。
軽自動車のほとんどはレギュラーガソリン車です。
② 給油レシート提出義務がある
レンタカー会社の多くは、満タン返却時にレシート提出を求めます。
もし誤給油をしてしまった場合、
- その場で申し出ない
- そのまま返却する
この対応は非常に危険です。
後日エンジントラブルが発覚した場合、修理費を全額請求される可能性があります。
③ 気づいたら必ず連絡する
誤給油に気づいたら、自己判断で動かさず、
- その場で店舗へ連絡
- カーシェアの場合はサポート窓口へ連絡
指示を仰ぐのが正解です。
勝手に整備工場へ持ち込むよりも、契約会社の指示に従う方がトラブルを避けられます。
④ 免責補償に入っていても安心しすぎない
免責補償制度に加入していても、
- 重大な過失と判断されるケース
- 規約違反に該当するケース
では補償対象外になる可能性もあります。
契約書の燃料種別欄は、意外と見落としがちです。
借りる前に一度目を通しておくだけで、リスクはかなり下がります。
レンタカーやカーシェアは便利ですが、「いつもの感覚」が通用しない環境です。
借りた車ほど、慎重に確認する習慣を持ちましょう。

誤給油は誰にでも起こります。
でも、仕組みで防げるミスでもあります。
よくある誤解と正しい知識
誤給油トラブルの背景には、「思い込み」や「なんとなくの理解」があります。
ここでは、特に混同しやすいポイントを整理しておきます。
誤解① 軽自動車=軽油で動く
これは本当に多い勘違いです。
軽自動車の“軽”は、排気量や車体サイズの規格を指しています。燃料の種類とは関係ありません。
- 軽自動車 → レギュラーガソリン車が主流
- ディーゼル車 → 一部のSUVや商用車など
軽自動車だから軽油、ということはありません。
誤解② 少し混ざっただけなら問題ない
「満タンのうち1〜2リットルだけ間違えた」なら大丈夫?
ケースによりますが、安心はできません。
ディーゼル車の場合、少量のガソリンでも潤滑性を低下させる可能性があります。
ガソリン車の場合も、割合によっては燃焼不良を起こします。
判断基準は“量”ではなく、エンジンを回したかどうかです。
誤解③ ハイオクなら安全?
「とりあえずハイオクを入れておけば大丈夫?」という声もあります。
レギュラーとハイオクの違いはオクタン価(ノッキングの起きにくさ)です。
燃料の種類そのものが違う軽油とは、まったく別の話です。
詳しくはこちらも参考になります。
誤解④ 動いているなら壊れていない
これが一番危険です。
エンジンは、壊れ始めてもすぐ止まるとは限りません。
内部で摩耗が進行しながら、しばらく動き続けることもあります。
「動く=安全」ではなく、「いつも通りかどうか」で判断することが重要です。

違和感を感じたら止める。そのシンプルな基準が、結果的にいちばん合理的です。
誤給油が起きやすい心理パターン
誤給油は「知識がないから起きる」というより、心理的な思い込みで起きることが多いです。
どんな人でも条件がそろえば起きます。ここを理解しておくと、再発防止につながります。
① 「軽=軽油」という言葉の連想
軽自動車に乗っている人ほど起きやすいミスです。
- 軽自動車 → 軽油?
- 軽トラ → ディーゼル?
言葉の響きだけで判断してしまう“連想ミス”です。
実際は、軽自動車のほとんどはレギュラーガソリン車です。
頭の中で「軽=サイズ規格」と整理しておくと、防げます。
② 「安い方を選びたい」という無意識
軽油はガソリンより安いことが多いですよね。
料金表示を見て、無意識に安い方へ手が伸びることがあります。
これは人間の自然な心理です。
特にセルフスタンドでは、急いでいると判断が雑になります。
価格ではなく、必ず車に書いてある燃料種別を確認するという習慣が重要です。
③ いつもと違う車に乗っている
誤給油は、次のようなタイミングで増えます。
- レンタカー利用時
- 代車を借りたとき
- 家族の車を運転したとき
「いつもの車」という前提で行動してしまうため、確認を省略しやすいのです。
車が変わったら、給油前に必ずラベル確認。これをルール化するだけで防げます。
④ 給油口の位置に意識を取られている
左右どちらに給油口があるか分からず、焦ることはありませんか?
そのとき、頭のリソースは“位置確認”に使われます。
燃料種別の確認がおろそかになります。
メーター内の燃料計にある三角マークで給油口の位置は分かります。
余裕を持って停車できると、判断ミスは減ります。
⑤ 「少しなら大丈夫」という正常性バイアス
人はトラブルが起きても、すぐには最悪を想定しません。
「まあ大丈夫だろう」と考える心理を、正常性バイアスといいます。
誤給油では、この心理が被害を拡大させます。
違和感を感じたら、楽観より停止を選ぶ。
これだけで結果は大きく変わります。

誤給油は誰にでも起こり得るミスです。
だからこそ、心理を知って仕組みで防ぐことがいちばん賢い対策です。
まとめ|誤給油は“止める判断”がすべて
ここまでの内容を、最後に整理します。
- 誤給油は珍しくないトラブル
- 被害の分かれ目は「走ったかどうか」
- ディーゼル車にガソリンは特に深刻化しやすい
- 違和感が出たらすぐ停止
- 修理費は数万円〜30万円超まで幅がある
誤給油は、「間違えた瞬間」よりも「その後の判断」で結果が変わります。
エンジンをかける前に気づけば、多くの場合は軽症で済みます。
逆に「少しなら大丈夫」と走ってしまうと、被害が一気に広がります。
私が整備の現場の話を聞いていて感じるのは、“止める勇気が一番安い修理”だということです。
違和感を感じたら止める。
迷ったら止める。
それだけで、守れるものは本当に大きいです。
そして、次に同じ状況にならないように仕組みで防ぐこと。
それがいちばん賢い選択です。
焦っているときほど深呼吸。
落ち着いて、ひとつずつ判断していきましょう。
参考文献・参照情報
- 廃車王|ガソリンの基礎知識と燃料の違い
- norico(ガリバー)|ガソリン・軽油・ハイオクの違い
- ベストカーWeb|誤給油のリスクと対処法解説
- Auto Express|Wrong fuel guide(海外事例と対処法)
よくある質問
- Q1リットルだけ間違えた場合でも危険ですか?
- A
「ほんの少しだから大丈夫では?」と思いますよね。
結論から言うと、車種と走行状況によります。
- エンジン未始動 → 抜き取りで済む可能性が高い
- 始動・走行あり → 少量でも影響が出ることがある
特にディーゼル車は潤滑性が重要なため、少量のガソリンでもリスクがあります。
「量」よりも「回したかどうか」で判断するのが基本です。
- Q混ざった燃料は自然に薄まって問題なくなりますか?
- A
タンク内で混ざるため、濃度は下がります。
ただし、完全に無害になるわけではありません。
エンジンは一定の燃焼特性を前提に設計されています。
軽油とガソリンは着火方式も揮発性も違うため、「薄まる=安全」ではありません。症状が出ている場合は、自然回復を期待せず点検を受ける方が安全です。
- Qすぐに壊れるわけではないなら、そのまま乗ってもいい?
- A
すぐ止まらないこともあります。
でも、内部では摩耗や不完全燃焼が進んでいる可能性があります。
たとえばディーゼル車でガソリン混入があった場合、
最初は普通に走れても、後から高圧ポンプが故障するケースも報告されています。「今は大丈夫そう」よりも、「違和感があった事実」を優先してください。
誤給油は、早く止めるほど軽症で済むトラブルです。
迷ったら無理をしない。それが一番確実な判断です。









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