1. はじめに
高速道路を走っているとき、突然目の前に逆走車が現れる――想像しただけで背筋が冷たくなりますよね。
逆走車は、一方通行や進行方向に反して走ってくる車のことで、一般道でも起こりますが、高速道路ではその危険度が一気に跳ね上がります。
その理由は単純で、速度差が大きすぎるからです。例えば、お互いが時速90kmで走っていれば、実質180km/hでぶつかるのと同じ衝撃になります。これは日常の運転ではまず経験しないスピード差であり、わずかな判断の遅れが命取りになることもあります。
実際、高速道路の逆走事故は発生頻度こそ低いものの、ひとたび起きれば重大な被害を伴うことが多いです。ニュースで「高齢ドライバーがICで逆走」などと聞いたことがある方も多いでしょう。
ですが、これは他人事ではありません。遭遇する確率はゼロではなく、備えがあるかないかで生死が分かれる可能性があります。
この記事では、逆走車を「早く見つける」「安全に回避する」ための防衛運転のポイントを、具体例を交えながら解説します。普段から少し意識するだけで、もしもの時の対応力は格段に上がりますので、ぜひ最後まで読んで備えてください。
2. 逆走車とは?
逆走車とは、本来の進行方向とは逆向きに走行している車両のことを指します。
一方通行の道や高速道路など、進行方向が決められている場所で発生し、特に高速道路では深刻な事故につながる危険性が高いです。
一般道でも逆走はありますが、速度が比較的低いため衝突時の被害はまだ小さく抑えられる可能性があります。
しかし、高速道路の場合は時速80〜100kmで走行している車が多く、逆走車と正面衝突すれば相対速度は150〜200km/hに達します。この衝撃は想像を超えるもので、エアバッグやシートベルトをしていても命を守りきれない場合があります。
逆走の主な原因は以下の通りです。
- ICやJCTでの進入間違い
- 飲酒や体調不良による判断力の低下
- 高齢ドライバーの方向感覚の混乱
- カーナビや案内板の見落とし

中でも高速道路の逆走事故の多くは、インターチェンジやジャンクション付近で発生しています。
特に夜間や悪天候では標識や路面表示が見えにくく、間違った進入をそのまま逆走にしてしまうケースが少なくありません。
3. 危険の認知
逆走車を避けるための第一歩は、「できるだけ早く気づくこと」です。
高速道路には、距離感をつかみやすくするための仕掛けがいくつもあります。たとえば、1kmや500m手前に設置された案内標識、50m・100mごとの車間距離確認標識、そして約200m先の位置を知らせるオービスのカメラなどです。
時速90kmで走行している場合、1秒で約25m、4秒で100m進みます。
もし逆走車も同じ速度で近づいてきていれば、わずか数秒で衝突してしまう計算になります。
しかし、ここでやっかいなのが「動きが遅く見える現象」です。遠くにいる車は、実際よりも動きがゆっくりに感じられるため、逆走車だと気づくまでに時間がかかってしまいます。特に昼間はヘッドライトとテールランプの色での識別ができないため、速度と方向を判断するのがさらに難しくなります。
さらに、視力や深視力の差、道路の形状、天候、時間帯によっても認知距離は大きく変わります。一般的には、500m以上先にいる逆走車を見分けるのは非常に困難だとされています。

このため、「見えたら即判断」できる準備をしておくことが重要です。
4. 危険の判断と操作
逆走車を視界に捉えた瞬間、ドライバーは「止まるべきか」「避けるべきか」を瞬時に判断する必要があります。
しかし、これは普段の運転であまり経験しない“非日常の状況”です。そのため、いざという時には頭が真っ白になり、ブレーキやハンドル操作が遅れることも珍しくありません。
例えば高速道路で、自分と逆走車がそれぞれ時速90kmで走っていた場合、相対速度は180km/h。これは通常の走行中にはほぼ体験しない速度で、わずかな判断の遅れが命取りになります。
落下物や動物の飛び出しを避けた経験がある方は、その時の感覚が参考になりますが、逆走車の場合は相手も動いており、しかもこちらに向かってくるため、より難易度が高くなります。
判断のポイントは以下の通りです。
- 距離と速度を即座に把握する(迷っている時間はほぼない)
- 周囲の交通状況を確認する(隣の車線、後続車との距離)
- 避けられないと判断した場合は速度をできるだけ落とす(衝撃軽減)

次は、「回避が難しい」と考える場合に有効な防衛策を紹介します。
普段の走行位置や車間距離の取り方次第で、生存確率は大きく変わります。
5. 回避が難しいと考える方向けの防衛策
逆走車に遭遇したとき、冷静な判断や素早い回避が難しいと感じる方は、**「危険に遭わない走り方」**を普段から意識することが重要です。以下の方法は、遭遇リスクや被害を減らすために有効です。
① 左車線を走る
多くの逆走車は、逆方向から見たときの「左車線」を走っています。つまり、こちらから見ると右車線に出現することが多いのです。普段から左車線を走っていれば、進路が重なる確率が下がりますし、路側帯を使った回避や緊急停車もしやすくなります。
② 大型トラックの後ろを走る
大型トラックの運転席は高い位置にあり、一般乗用車よりも先の状況を見通しやすいです。プロドライバーは危険を察知した際の対応も早いため、前の大型車がブレーキを踏んだら自分も迷わず減速しましょう。視界が遮られるデメリットはありますが、安全面では大きなメリットがあります。
③ 車列の後ろを追走する
前方の車が逆走車と接触してしまう可能性は否定できませんが、自車が直接衝突するよりも衝撃は避けられます。いわば“集団で走ることでリスクを分散する”という考え方です。

この3つは、特別な運転技術がなくても日常的に取り入れられる防衛策です。
6. 回避できると考える方向けの防衛策(自信がない人にも有効)
逆走車に遭遇した場合でも、「発見が早ければ避けられる可能性がある」と考える方に向けた運転のポイントです。もちろん、これは運転に自信のない方にも有効な“予防的安全策”になります。
① 逆走車が発生しやすい場所を把握する
インターチェンジ(IC)やジャンクション(JCT)付近は逆走車が発生しやすい危険ゾーンです。こうした場所では視線をできるだけ遠くに置き、先行車が少ない場合は左車線へ移動し、速度も少し控えめにしましょう。
② 大型車との並走を避ける
大型車は視界が遮られるうえ、陰から突然逆走車が現れるリスクがあります。追い越すなら一気に、そして速やかに完了させることが大切です。
③ 前方への視線を維持する
追い越し車線走行中は特に注意が必要です。後部座席の人と話すために振り向いたり、サイドミラーばかり見て前方から目を離すのは危険です。視線は基本的に遠くの前方に置き、状況変化に即応できるようにしましょう。
④ 情報を積極的に活用する
ETC2.0搭載車なら、逆走車情報がナビ画面に表示される場合があります。また、高速道路の電光掲示板にも注意し、逆走車発生の表示が出ていれば即座に速度を落とす行動が必要です。
⑤ 先行車の挙動から察知する
前を走る車が突然減速や車線変更をしたら、「何かがある」と考えるべきです。すぐにアクセルから足を離し、状況確認に備えましょう。

こうした対策を日常的に意識するだけで、逆走車との遭遇時に“気づくまでの時間”と“回避行動までの時間”を大きく短縮できます。
7. シートベルトの正しい着用法
どれだけ防衛運転を心がけても、事故のリスクをゼロにすることはできません。万が一の衝突から命を守るために欠かせないのが、シートベルトの正しい着用です。
間違った着用例と危険性
- たすきがけ
- 腹部や胸部に適切に力が分散されず、衝突時に大きな怪我を負う危険があります。
- シートを倒しすぎた状態
- 衝突時に体がベルトの下に潜り込む「サブマリン現象」が起こりやすくなります。
- ベルトクリップで緩めて装着
- 衝撃時に体が大きく前に振られ、ステアリングやダッシュボードに激突するリスクが高まります。
- 首や腹部にかかる位置で装着
- 頸部圧迫や内臓損傷など、致命傷につながる可能性があります。
正しい着用方法
- 背もたれはできるだけ直立に近い位置に設定する
- ベルトは**鎖骨から胸骨、そして腰骨(腸骨)**を通る位置にかける
- 腹部に直接ベルトが当たらないようにする
- ベルトがねじれていないか必ず確認する
8. 遭遇時の緊急対応
逆走車を発見した瞬間、まず重要なのは自分と周囲の安全を確保することです。慌ててハンドルを切ったり急ブレーキを踏むと、後続車との追突やスピンなど二次被害を招く恐れがあります。落ち着いて、以下の手順を意識しましょう。
① ハザードランプで後続車に警告
逆走車に気づいたら、即座にハザードランプを点灯し、後続車に異常を知らせます。高速道路では後方確認が遅れると連鎖的な事故になることがあるため、この一手間が非常に重要です。
② 減速・安全な位置への移動
可能であれば徐々に減速し、左車線や路側帯へ移動します。いきなりの急減速は危険なので、周囲の車間を見ながら速度を落としましょう。
③ 通報で情報共有
安全を確保したら、#9910(道路緊急ダイヤル)または110番に通報します。
- 発生場所(キロポスト番号や近くのIC名)
- 逆走車の特徴(車種、色、進行方向)
をできる範囲で伝えましょう。これにより後続のドライバーや警察が迅速に対応できます。
④ 無理な回避行動はしない
ギリギリでハンドルを切るような行動は、自分や他車を巻き込む大事故につながります。あくまで安全な範囲での減速・回避を徹底します。
9. まとめ
高速道路での逆走車は、遭遇する確率こそ低いものの、一度事故になれば重大な被害を招く危険性があります。
だからこそ、「見つける」「判断する」「回避する」そして「備える」という4つのステップを意識した防衛運転が欠かせません。
今回紹介したポイントを振り返ると…
- 普段から左車線を走行し、危険に遭わない位置取りを意識する
- 大型トラックや車列の後ろを利用して視界と安全を確保する
- ICやJCT付近ではスピードを控えめに、遠くを見て運転する
- ETC2.0や電光掲示板など、使える情報はすべて活用する
- シートベルトは正しい位置で着用し、衝撃から体を守る
- 逆走車を見つけたらハザード・減速・通報で周囲と情報を共有する

こうした意識と行動は、逆走車だけでなく、落下物や動物の飛び出しといった他の高速道路の危険にも有効です。
日頃から「もしもの時」を想定した運転を習慣化することで、予期せぬ危険にも落ち着いて対応できるようになります。
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よくある質問
- Q高速道路で逆走車を見つけたら、Uターンして逃げてもいい?
- A
高速道路でのUターンは法律で禁止されています。危険ですし、逆走と同じ状態になってしまいます。安全な場所まで減速・停止し、路側帯などでやり過ごすか、可能であればICで降りましょう。
- QETC2.0がなくても逆走車情報を知る方法はある?
- A
ります。高速道路の電光掲示板やラジオ(AM/FM・交通情報)で逆走車情報が流れる場合があります。また、スマホの交通情報アプリや高速道路会社の公式サイトも有効です。
- Q昼間より夜間のほうが逆走車に気づきやすいって本当?
- A
本当です。夜間はヘッドライト(白色)とテールランプ(赤色)の違いで進行方向を判断できますが、昼間はその色の識別ができず、速度や方向感覚が掴みにくくなります。






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