1. はじめに
車を安全に走らせるうえで、エンジンやブレーキと同じくらい重要なのがタイヤです。なぜなら、タイヤは車と路面をつなぐ唯一の接点であり、その状態次第で走行性能も安全性も大きく変わるからです。特に雨の日は、路面とタイヤの間に水が入り込みやすく、溝が浅いとブレーキやハンドルが効かなくなる危険が一気に高まります。
とはいえ、「溝の深さなんて車検のときに見てもらえばいい」と思っている人も多いかもしれません。しかし実際には、溝が4mmを切ったあたりから性能は徐々に低下していき、1.6mmになると法律違反で車検も通らなくなります。
そこで活躍するのが、どの家庭にもある5円玉。これ一枚あれば、専門工具がなくても溝の残り具合を簡単にチェックできます。本記事では、5円玉を使ったタイヤ点検のやり方から、交換の目安、放置すると起こりうる危険まで、わかりやすく解説していきます。
「まだ走れるだろう」が事故の原因にならないよう、この記事をきっかけにタイヤ点検の習慣を身につけてください。
2. タイヤ溝の深さが重要な理由
タイヤの溝は、ただのデザインではなく安全に走行するための命綱です。特に雨の日や濡れた路面では、その役割が一気に重要になります。
溝がしっかりあると、路面とタイヤの間に入り込んだ水を素早く排出できます。これによって、ゴム部分がしっかり路面をつかみ、安定したグリップ力を発揮します。逆に、溝が浅くなると排水が追いつかず、タイヤが水の上を滑る「ハイドロプレーニング現象」が起きやすくなります。これは、ブレーキやハンドル操作が効かなくなり、非常に危険な状態です。
さらに、溝の深さは**制動距離(止まるまでの距離)**にも直結します。新品タイヤと溝の浅いタイヤでは、雨天時の制動距離が数メートルから十数メートルも変わることがあります。この差は、前の車に衝突するかどうかを分ける重要なポイントです。

タイヤメーカーの多くは、残り溝が4mmを下回ると性能低下が始まると警告しています。見た目では「まだ溝がある」と思えても、性能は確実に落ちているのです。だからこそ、日頃から残り溝を把握しておくことが事故防止につながります。
3. 5円玉で溝を測る方法
タイヤの溝を測る専用ゲージも販売されていますが、もっと手軽にできるのが5円玉チェックです。財布や引き出しに1枚あれば、いつでもその場で確認できます。
手順はとても簡単です。
- タイヤの溝の一番深い部分に5円玉を差し込む
溝の中央付近で、石やゴミが詰まっていない場所を選びましょう。 - 5円玉の「五円」の文字部分を確認する
- 「五円」の文字の真ん中にある横線が見えたら、残り溝はおよそ4mm以下です。
- 下側の線まで完全に見えたら、残り溝は約1.6mm。これは車検不合格レベルで、即交換が必要です。
- 複数箇所を測る
タイヤは均等に減るとは限りません。特に前輪・後輪や左右で摩耗の進み方が違うため、外側・中央・内側と複数ポイントで測ることが大切です。 - 測るタイミング
洗車の後や空気圧チェックのついで、長距離ドライブ前などがベスト。雨が続く季節や、冬タイヤへの交換前にも確認しておくと安心です。

ちょっとした習慣化で、事故のリスクを大幅に減らせます。たった数秒のチェックが、自分と周囲の命を守る第一歩です。
4. 交換の目安と法律上の基準
タイヤの残り溝は、見た目だけで判断してしまうと危険です。法律と安全性の両面から、しっかり交換タイミングを把握しておきましょう。
■ 法律上の基準
日本の道路運送車両法では、乗用車のタイヤ溝が1.6mm未満になると使用が禁止されています。
これは車検に通らないだけでなく、走行中に警察に止められれば「整備不良」として反則切符を切られる可能性があります。違反点数や反則金の対象となるため、ギリギリまで使うのはリスクが高すぎます。
■ 安全面から見た交換目安
多くのタイヤメーカーは、残り溝が約4mmを切ったら性能低下が始まるとしています。特に雨天や高速走行では制動距離が伸びやすくなるため、4mmの時点で交換するのが理想です。
また、溝の深さに加えて経年劣化も要チェック。溝があってもゴムが硬化してヒビ割れがある場合は、グリップ性能が低下しています。一般的には製造から5年〜6年が交換の目安です。
■ 季節・用途別の注意点
- 冬タイヤは残り溝4mm以下で雪道性能が大幅に落ちます。
- 高速道路をよく使う人や雨の多い地域は、早めの交換が事故防止につながります。

「まだいけるだろう」ではなく、「そろそろ危ないかも」と思ったら早めに交換する。この意識が、安全運転の最大の保険になります。
5. タイヤ溝が浅いまま走るリスク
タイヤの溝が浅くなった状態で走行を続けると、想像以上に多くの危険が潜んでいます。ここでは主なリスクを具体的に見ていきましょう。
1. 制動距離が長くなる
溝が減ると路面との摩擦力が低下し、ブレーキを踏んでも止まるまでの距離が延びます。
特に雨天時はその差が顕著で、わずか数メートルの差が追突事故を防げるかどうかの分かれ目になります。
2. ハイドロプレーニング現象の発生
高速走行中にタイヤが水の上を滑り、ハンドルやブレーキがまったく効かなくなる現象です。
溝が浅いと排水できずに発生しやすく、コントロールを完全に失う危険があります。
3. コーナリング性能の低下
カーブや交差点で曲がる際、タイヤが路面をしっかり捉えられなくなり、スリップや外側にはらむ現象が起きやすくなります。特に雨や雪では事故の確率が跳ね上がります。
4. 車検や法的トラブル
1.6mm未満のタイヤは車検不合格。さらに走行中に警察に止められると整備不良で処罰対象です。罰金だけでなく、違反点数の加算で免許停止のリスクもあります。

安全性能が低下してからでは遅く、事故や出費のダブルパンチを受けることになります。タイヤ溝は命を預ける部分だと意識し、早めの交換を心がけましょう。
6. 日常点検の習慣化
タイヤの溝チェックは、「特別なときだけやる」ではなく日常の習慣として取り入れるのがベストです。難しい整備技術は必要ありませんし、ほんの数分で終わります。
■ 洗車のついでにチェック
ボディやホイールをきれいにするついでに、溝に石や異物が詰まっていないかを確認しましょう。水滴で溝の深さが見やすくなるため、このタイミングはおすすめです。
■ 空気圧点検とセットで
ガソリンスタンドや整備工場で空気圧を測る際、同時に5円玉チェックを行えば効率的です。空気圧が適正だと、タイヤの摩耗も均一になり、溝の寿命が延びます。
■ 季節の変わり目に確認
夏タイヤと冬タイヤの交換時期や、長距離ドライブ前後は必ず溝をチェックしましょう。特に雨の多い梅雨前や冬の初雪前は安全対策として重要です。
■ 記録を残すと便利
スマホでタイヤ溝の写真を撮っておくと、前回との摩耗具合を比較できます。交換時期の判断もしやすくなります。

ほんの数秒の点検が、大きな事故や余計な出費を防ぎます。車に乗るときは、シートベルトを締めるのと同じくらい自然に「タイヤチェック」を習慣化しましょう。
7. まとめ
タイヤは車の安全を守る“最後の砦”とも言えるパーツです。
溝が減れば、雨の日のブレーキ性能は低下し、最悪の場合はハンドルやブレーキが効かなくなるハイドロプレーニング現象を引き起こします。
- 残り溝4mm以下:性能低下が始まるため、早めの交換を検討
- 残り溝1.6mm未満:車検不合格&整備不良で違反対象
- 5円玉チェック:誰でも簡単にできる溝測定方法
このように、たった数秒の点検で事故のリスクを大きく減らすことができます。洗車や空気圧チェックとセットにして、日常的にタイヤの健康状態を把握する習慣を持ちましょう。
そして、溝のチェックと同時に自動車保険の見直しも行えば、走行中の安全と万一の備えが同時に整います。
「まだ大丈夫」ではなく「今確認しよう」の一歩が、自分と同乗者、そして周囲の安全を守ります。
あわせて読みたい
タイヤの安全点検や交換に関心がある方は、以下の記事も参考になります。日常メンテナンスや走行の安全性を高めるための情報が満載です。
- タイヤの寿命を縮めるNG行為7選|洗車・保管・走行でやりがちなミスとは?
- 普通自動車のタイヤサイズはどう選ぶ?純正サイズと交換時の注意点まとめ
- 軽自動車は雪道に弱い?冬の走行で起きやすいトラブルと安全対策まとめ
よくある質問
- Qタイヤ溝はどのくらいの頻度で測ればいい?
- A
月に1回程度、または長距離ドライブの前後がおすすめです。雨の多い季節や雪道を走る前にも確認すると安心です。
- Q5円玉以外で測る方法はある?
- A
専用のタイヤ溝ゲージや定規でも測定できます。ホームセンターやカー用品店で数百円〜1,000円程度で購入可能です。
- Q前輪と後輪、どちらを優先して交換すべき?
- A
摩耗の進みが早い前輪からの交換が基本です。ただし、前後の減り具合や駆動方式によっては同時交換やローテーションも検討しましょう。






※当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。リンクを経由して商品を購入された場合、当サイトに報酬が発生することがあります。
※本記事に記載しているAmazon商品情報(価格、在庫状況、割引、配送条件など)は、執筆時点のAmazon.co.jp上の情報に基づいています。
最新の価格・在庫・配送条件などの詳細は、Amazonの商品ページをご確認ください。