中古車を見に行ったとき、こんな不安を感じたことはありませんか?
- 「この車、本当に事故していないのかな?」
- 「年式は合ってるって言うけど、どうやって確認するの?」
- 「販売店の説明をそのまま信じて大丈夫…?」
価格や走行距離は目に見えます。でも、その車がどんな過去を歩んできたのかは、見ただけでは分かりませんよね。
そこで必ず確認してほしいのが車体番号(VIN/車台番号)です。
これは、その車だけに与えられた「身分証明書」のようなもの。人でいうマイナンバーや指紋のような存在です。しかも一度付けられたら、廃車になるまで変わることはありません。
私は中古車を見るとき、必ずこの順番でチェックします。
- 車検証の車台番号を確認
- 実車の打刻(刻印)を目視確認
- 複数箇所の番号が一致しているか照合
たったこれだけですが、リスクの高い車を避けられる確率がぐっと上がります。
ただし、ここで大事なのはひとつ。
車体番号は万能ではないということです。
年式や製造国、リコール対象かどうかは分かります。でも、日本では事故歴が100%分かる仕組みにはなっていません。この「できること」と「できないこと」の線引きを知っておくことが、後悔しない中古車選びにつながります。
これから、
- 車体番号の正しい見方
- 日本車と輸入車の違い
- モデルイヤーの読み方
- 改ざんの見抜き方
- どこまで信用できるのかという判断基準
を順番に整理していきます。
「なんとなく不安」を「自分で判断できる安心」に変えていきましょう🙂
結論:車体番号は“車の身分証明書”。ただし万能ではない
先にいちばん大事なところをお伝えしますね。
車体番号は、その車が本物かどうかを確認するための最重要情報です。
でも、それだけで全履歴が分かる魔法の番号ではありません。
ここを正しく理解しておくことが、とても大切です。
車体番号で分かること
- 製造国やメーカー
- モデルイヤー(年式)
- 製造工場
- リコール対象かどうか
- 打刻が改ざんされていないか
つまり、「この車がどこの誰なのか」はかなり正確に分かります。
車体番号だけでは分からないこと
- 国内での事故歴の詳細
- 修理の内容や質
- オーナーの乗り方や整備状態
ここを誤解してしまう人がとても多いです。
「VIN検索すれば全部わかるんですよね?」と聞かれることがありますが、日本ではそこまで情報は公開されていません。アメリカのような大規模データベースとは状況が違うのです。
正しい考え方の線引き
✔ 車体番号は信頼性を確認するための武器
⚠ でも履歴のすべてを保証するものではない
私は中古車を見るとき、こう考えています。
「車体番号が正常ならスタートラインに立てる。
異常があれば、その時点で検討をやめる。」

つまり、安全確認の第一関門なんですね。
この後は、その“身分証明書”の中身をどう読むのかを、順番に分解していきます。
車体番号(VIN)とは何か?ナンバーとの違い
まずは基本から整理しておきましょう。
車体番号(VIN/車台番号)は、その車に一度だけ与えられる固有の識別番号です。
廃車になるまで変わることはありません。
よく混同されるのが「ナンバープレート番号」ですよね。
ナンバープレートとの決定的な違い
| 項目 | 車体番号 | ナンバープレート |
|---|---|---|
| 役割 | 車両そのものを識別 | 登録情報を識別 |
| 変更 | 変更不可(原則) | 変更可能(引っ越し等) |
| 場所 | 車体フレームに打刻 | 車の前後に装着 |
ナンバーは引っ越しや名義変更で変わります。
でも車体番号は変わりません。
たとえば、ナンバーが変わっていても、車体番号が一致していれば「同じ車」だと判断できます。
なぜフレームに“打刻”されるのか
日本では車台番号を車両の骨格部分に直接刻印(打刻)することが義務づけられています。
これはプレートを貼っているだけではありません。
金属そのものに刻まれているのです。
理由はシンプルです。
- 簡単に削れないようにするため
- 盗難車の流通を防ぐため
- 事故車の偽装を防ぐため
ここでの判断基準はとても重要です。
✔ 刻印が深く均一 → 正常の可能性が高い
⚠ 周囲に削り跡・溶接跡・不自然な再塗装 → 要注意
私は現車確認のとき、必ず打刻の周囲の塗装状態も見ます。
番号だけでなく、「その周りが自然かどうか」まで確認するのがポイントです。

車体番号はただの数字ではありません。
車の素性を確認するための「第一関門」なんです。
VINの17桁構造をやさしく分解
輸入車や海外向けモデルでは、車体番号は17桁の英数字で構成されています。
この17桁は、ただの連番ではありません。
実はきちんと意味が分かれているんです。
大きく分けると、次の3つのブロックに分かれます。
- ① WMI(1〜3桁目)
- ② VDS(4〜9桁目)
- ③ VIS(10〜17桁目)
順番に見ていきましょう。
① WMI(1〜3桁目)|製造国とメーカー
ここは「どこの国の、どのメーカーか」を示します。
- J = 日本
- W = ドイツ
- 1 / 4 / 5 = アメリカ
- 2 = カナダ
たとえば「J」から始まれば、日本で製造された車である可能性が高いです。
中古車で「並行輸入」と書かれている場合、この部分を見ると製造国のヒントになります。
② VDS(4〜9桁目)|車両の仕様
ここには、車の仕様情報が含まれます。
- ボディタイプ
- エンジン形式
- グレード
- 駆動方式 など
9桁目は「チェックデジット」と呼ばれることが多く、番号の正当性を確認するための計算用コードになっています。
専門的な計算式がありますが、一般ユーザーが行う必要はありません。
ただ、「適当に作られた番号ではない」という仕組みが入っていることは知っておくと安心です。
③ VIS(10〜17桁目)|年式と製造番号
ここが実務的にいちばん重要です。
- 10桁目:モデルイヤー(年式)
- 11桁目:製造工場
- 12〜17桁目:シリアル番号
特に10桁目は、中古車選びでよく使います。
販売店の表示年式と一致しているか。
車検証の初度登録年と大きなズレがないか。
この照合をするだけでも、表示ミスや説明不足に気づけることがあります。
補足:9桁目「チェックデジット」の役割とは?
17桁VINのうち、9桁目には特別な役割があります。
それが「チェックデジット」と呼ばれるものです。
これは単なるランダムな数字ではありません。
他の桁の数字やアルファベットをもとに、一定の計算式で算出される“検算用コード”です。
なぜチェックデジットがあるの?
目的はシンプルです。
- 入力ミスを防ぐため
- 偽造VINを見抜くため
- 改ざんを検出するため
もし誰かがVINの一部を適当に変更した場合、この9桁目の整合性が崩れます。
つまり、VINは適当に作れない構造になっているということです。
自分で計算する必要はある?
結論から言うと、一般ユーザーが手計算する必要はありません。
チェックデジットの計算には、アルファベットを数値に置き換えて重みづけ計算をする仕組みがあります。専門的で少し複雑です。
大切なのは、
✔ VINは規則的に作られている
✔ 不正な番号は理論上検出できる仕組みがある
この事実を知っておくことです。
実務でどう活かす?
最近の車では、OBD2診断機で内部VINを読み取ることができます。
外部の打刻VINと内部データが一致していれば、信頼性は高まります。
チェックデジットは普段意識する機会は少ないですが、「VINはただの連番ではない」という安心材料になります。
細かい仕組みを知っているだけで、番号を見る目が一段深くなりますよ。
ここでの判断基準
✔ 17桁すべてが規則的に並んでいる → 正常
⚠ 桁数が足りない・フォントが不自然 → 要確認
ただし、日本国内専用車は17桁VINではなく、独自形式の車台番号を使っていることもあります。
「17桁じゃない=怪しい」ではありません。
ここも混同しやすいポイントですね。

次は、10桁目の“モデルイヤー”をどう読むのかを、もう少し詳しく見ていきます。
モデルイヤーの読み方|30年周期の落とし穴
VINの中でも、中古車選びで特に役立つのが10桁目です。
ここを見ると、その車が「何年モデルなのか」が分かります。
10桁目で分かるモデルイヤー
1981年以降の国際標準VINでは、10桁目にアルファベットや数字が使われています。
- A = 1980年/2010年
- B = 1981年/2011年
- Y = 2000年/2030年
- 1〜9 = 2001〜2009年
ここで重要なのは、同じ文字が30年後にもう一度使われるという点です。
30年循環方式とは?
このコードは約30年ごとに一周する仕組みになっています。
つまり「A」だった場合、
- 1980年モデルの可能性
- 2010年モデルの可能性
どちらもあり得るということです。
どうやって判断するの?
ここでの判断基準はシンプルです。
✔ その車種の販売期間と照らし合わせる
✔ 初度登録年と大きな矛盾がないか確認する
例えば、2015年に発売された車なのに、10桁目が「A」で1980年の可能性がある…ということは現実的ではありませんよね。
モデルサイクルと照合する。これが基本です。
よくある誤解
「年式=初度登録年」と思っている方がとても多いです。
でも実際には、
- モデルイヤー(製造上の年)
- 製造年
- 初度登録年(ナンバー取得年)
は別の概念です。
輸入車では特に、モデルイヤーと登録年がズレることは珍しくありません。
中古車選びでは、
✔ 10桁目のモデルイヤー
✔ 車検証の初度登録年
✔ 車種の発売タイミング
この3つをセットで見ると、違和感に気づきやすくなります。
年式詐称が起きる具体例|なぜ10桁目を見るべきなのか
「年式詐称」と聞くと、悪質な改ざんをイメージするかもしれません。
もちろん意図的なケースもありますが、表示の仕方によって“新しく見えてしまう”ケースも存在します。
① 海外モデルを登録年で“新しく見せる”ケース
たとえば、
- 海外では2019年モデルとして製造
- 日本に輸入されたのが2021年
- 国内登録が2022年
この場合、車検証上の初度登録年は「2022年」になります。
でもVINの10桁目を確認すると、モデルイヤーは「2019年」かもしれません。
登録年だけを見ると新しく感じますが、設計や仕様は2019年モデルということになります。
② 長期在庫車を翌年登録するケース
これは必ずしも違法ではありません。
販売店に在庫として残っていた車が、翌年になってから登録されるケースです。
- 製造:2020年
- 登録:2021年
この場合も、モデルイヤーと登録年にズレが生じます。
問題は、どちらの情報を基準に説明しているかです。
③ 並行輸入車で年式表記が曖昧になるケース
並行輸入車では、現地モデルイヤーと国内登録年が大きくズレることがあります。
販売ページに「2022年式」と書かれていても、
- モデルイヤーは2020年
- 国内登録が2022年
という可能性もあります。
判断基準のまとめ
✔ VINの10桁目でモデルイヤーを確認する
✔ 車検証の初度登録年と照合する
✔ 車種の発売年と矛盾がないか確認する
年式詐称というよりも、「情報の切り取り方」で印象が変わることが多いのです。
だからこそ、10桁目を自分で確認することが大切になります。

数字ひとつで、見え方は大きく変わります。
確認は数秒。安心はずっと続きます。
日本車の「車台番号」はVINと何が違う?
ここは意外と知られていないポイントです。
日本で販売されている国産車の多くは、17桁の国際VINとは異なる形式の車台番号を使っています。
「え、じゃあVINじゃないの?」と思いますよね。
正確に言うと、日本国内専用モデルではメーカー独自形式の車台番号が使われていることが多い、というのが現実です。
なぜ日本は独自形式なの?
理由のひとつが、型式指定制度です。
日本では、国土交通省の認可を受けた型式ごとに車両が管理されています。
車検証には、
- 型式指定番号
- 類別区分番号
といった番号が記載されています。
国産車の車台番号は、この型式や生産順を反映した構造になっていることが多いのです。
輸入車との違い
- 輸入車 → 原則17桁VIN
- 国産・国内専用モデル → 独自桁数の車台番号
- 国産の輸出モデル → 17桁VINを採用
ここでの判断基準はこうです。
✔ 車検証に記載された番号と車体の打刻が一致している → 正常
⚠ 桁数が違う・形式が違う → 再確認
ただし、「17桁でない=怪しい」ではありません。
国内専用モデルなら、独自形式なのは自然なことです。
フレーム打刻は法的義務
日本では車台番号を車体のフレーム部分に直接打刻することが義務付けられています。
これは単なるプレートではありません。
金属に刻印されています。
なぜかというと、
- 改ざんを防ぐため
- 盗難車の流通を防止するため
- 事故車の偽装を防ぐため
だからこそ、打刻の状態そのものが重要な判断材料になります。
正常と異常の線引き
✔ 刻印が深く均一で、周囲の塗装が自然
⚠ 番号の周囲だけ削られている、再塗装の跡がある
私は現車確認のとき、番号だけでなくその周囲の金属の質感まで見ます。

番号が正しくても、周囲が不自然なら一度立ち止まる。
これがリスク回避の基本です。
車体番号はどこにある?実際の確認方法
いざ確認しようと思っても、「どこを見ればいいの?」と迷いますよね。
車体番号は、基本的に複数の場所に記載されています。これは改ざん防止のためでもあります。
① ダッシュボード左下(フロントガラス越し)
運転席側のフロントガラス越しに、小さなプレートが見えることがあります。
外からでも確認できるので、展示車を見るときに最初にチェックしやすい場所です。
② 運転席ドアの柱(ドアピラー)
ドアを開けると、ラベルやプレートが貼られていることがあります。
ここには車体番号だけでなく、空気圧や製造情報が書かれていることもあります。
③ エンジンルーム内(フレーム打刻)
もっとも重要なのがここです。
エンジンルーム奥のバルクヘッド(防火壁)やフレーム部分に、金属へ直接刻印されています。
プレートではなく、金属に打ち込まれている刻印を確認してください。
④ 車検証
車検証の「車台番号」欄に必ず記載されています。
実車の番号と車検証が完全一致しているか、ここが最重要チェックポイントです。
確認の具体的な手順
- 車検証の車台番号をスマホで撮影
- 実車の打刻を目視確認
- 一文字ずつ照合する
- 複数箇所で一致しているか確認
面倒に感じるかもしれませんが、慣れれば2〜3分で終わります。
打刻確認に便利なアイテム
エンジンルームは暗いことが多く、刻印が見づらい場合があります。
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小型ペンライトがあると、刻印の深さや削れ跡がはっきり見えます。
正常と異常の判断基準
✔ 文字が均一で、周囲の塗装に違和感がない
✔ 複数箇所で番号が一致している
⚠ 文字の一部だけ浅い
⚠ 周囲だけ塗装が荒れている
⚠ 番号が一致しない
特に「番号が一致しない」は即アウトです。

私は一致しなかった時点で、その車は検討から外します。
ここは迷わないほうが安全です。
中古車購入での活用法|何が分かり、何が分からない?
ここからが本題です。
車体番号は「読むこと」が目的ではありません。
どう活用するかが大事なんです。
車体番号から分かること
- 製造国・メーカー
- モデルイヤー(10桁目)
- 製造工場
- リコール対象かどうか
- 番号改ざんの有無
たとえば、
- 販売店の表示年式と10桁目が一致しているか
- 「国内仕様」と言われているのに海外製造コードになっていないか
こうした照合だけでも、説明の正確さを確認できます。
並行輸入車でVIN確認が重要になる理由
並行輸入車を検討している場合、VIN確認はさらに重要になります。
なぜなら、同じ車名でも本国仕様と日本仕様では中身が違うことがあるからです。
① 仕様が国内モデルと異なることがある
例えば、
- エンジン出力が違う
- 安全装備の有無が違う
- 排ガス基準が異なる
- メーター表示がマイル表記
見た目は同じでも、細かな仕様が異なるケースは珍しくありません。
VINのWMI(最初の3桁)を確認すれば、製造国が分かります。
そこから「どこの市場向けに作られた車か」を推測できます。
② 年式表示の誤解を防げる
並行輸入車では、登録年だけを見て「新しい車」と誤解されることがあります。
しかし重要なのはモデルイヤー(10桁目)です。
✔ 10桁目の年式
✔ 初度登録年
✔ 車種の発売タイミング
この3つを照合すると、不自然なズレに気づけます。
③ メーター改ざんリスクの確認
並行輸入車では、マイル表示からキロ表示へ変更されているケースがあります。
その際、
- メーター交換歴があるか
- 走行距離表示が自然か
- VIN情報と整合しているか
を確認することが大切です。
最近の車では、OBD2経由で車両内部のVIN情報を読み取れる場合もあります。
打刻VIN・車検証・電子制御ユニット内VINが一致しているか。
これが基本的なクロスチェックになります。
④ 将来の部品調達や整備に影響する
本国仕様の場合、日本ディーラーで部品がすぐに出ないこともあります。
VINが分かれば、正確な仕様に基づいて部品検索ができます。
これは購入後の維持費にも関わるポイントです。
判断基準のまとめ
✔ 並行輸入車ではVIN確認は必須レベル
✔ 製造国・モデルイヤー・仕様を必ず照合
⚠ 登録年だけで判断しない
並行輸入車は魅力的な選択肢です。
でも「珍しい車」ほど、基本情報の確認がより重要になります。
リコール確認は必ずやる
国土交通省のリコール検索ページでは、車台番号を入力すると対象かどうか確認できます。
✔ リコール未実施 → 販売店に対応状況を確認
✔ 対応済み → 記録簿で裏付け確認
ここは「やって当たり前」のチェック項目です。
分からないこともある
ここがとても重要です。
- 国内での軽微な事故歴
- どの程度の修理をしたか
- 過去オーナーの扱い方
日本では、アメリカのように事故履歴が広く公開されている仕組みはありません。
「VIN検索すれば全部わかる」というのは誤解です。
事故歴や修復歴を確認する場合は、目視チェックも必須です。
こちらも合わせて確認すると判断精度が上がります。
判断基準のまとめ
✔ 車体番号は「真偽確認ツール」
✔ 年式・製造情報の照合には有効
⚠ 事故歴の完全確認ツールではない
私はこう考えています。
「車体番号で“土台の安全性”を確認する。
事故歴や状態は“現車確認”で判断する。」

この二段構えが、中古車で失敗しない基本です。
国内履歴確認の現実|日本と海外の違い
「VINを入力すれば、過去の事故もオーナー履歴も全部出てくるんですよね?」
こう聞かれることがありますが、日本ではそこまで単純ではありません。
アメリカは公開データが充実している
アメリカでは、NHTSA(米国国家道路交通安全局)などがVINを使った検索サービスを提供しています。
- 未実施リコール
- 重大事故歴
- 盗難情報
民間の履歴サービスも充実していて、比較的広範囲の情報にアクセスできます。
日本は「限定的」が正しい理解
一方、日本では次のような状況です。
- 国土交通省サイトでリコール確認は可能
- 修復歴の定義はJAAIやJUの基準に基づく
- 事故履歴の一括公開データベースは存在しない
つまり、
✔ リコール確認は確実にできる
⚠ 過去事故の詳細は販売店の申告に依存する部分がある
ここが大事な線引きです。
修復歴車の定義を知っておく
日本では、フレーム(骨格)部分を修理・交換した車両を「修復歴車」と定義します。
バンパー交換や軽微な板金は、修復歴には該当しない場合があります。
「事故歴あり」と「修復歴車」は同じではありません。
ここを混同してしまうと、必要以上に怖がったり、逆に油断したりしてしまいます。
軽微な修理と「修復歴車」の違いを整理
ここは誤解がとても多いポイントです。
「事故歴あり」と聞くと、不安になりますよね。
でも、日本でいう「修復歴車」には明確な定義があります。
基準になっているのは、主に車の骨格(フレーム)部分を修理・交換したかどうかです。
修復歴に該当するかどうかの目安
| 修理内容 | 修復歴車に該当? | 理由 |
|---|---|---|
| バンパー交換 | × | 外装部品であり、骨格ではない |
| ドア交換 | × | 構造部ではないため |
| フェンダー交換 | × | 外板部品の交換のみ |
| フレーム修正 | ○ | 車体骨格に影響がある |
| ピラー(柱)修理 | ○ | 構造強度に関わる部分 |
つまり、
✔ バンパーやドアの交換だけ → 修復歴車には該当しない
⚠ フレームやピラー修理 → 修復歴車に該当
「事故歴」と「修復歴」は別もの
軽い接触事故でバンパーを交換しただけの場合、
事故歴はあっても「修復歴車」にはなりません。
逆に、フレームが曲がるほどの事故は、たとえきれいに直してあっても修復歴車になります。
判断のポイント
- 販売店に「修復歴の有無」を書面で確認する
- フレーム周辺(エンジンルーム奥・トランク床)を目視確認
- 溶接跡や不自然なシーラーをチェック
「事故歴あり=すべて危険」と決めつける必要はありません。
大切なのは、どこを修理したのかです。
構造に関わる部分かどうか。
ここが線引きになります。

データだけに頼らず、現車確認と組み合わせる。
これが、日本で現実的にできる“最大限の防御”です。
改ざん・盗難車を見抜く判断基準
ここは少し緊張感のある話になります。
車体番号は「確認する」だけでなく、状態を観察することがとても重要です。
番号そのものよりも、刻印の状態にヒントが隠れていることがあります。
正常な状態の特徴
- 文字の深さが均一
- 刻印の並びがまっすぐ
- 周囲の塗装が自然
- 複数箇所で番号が完全一致
量産車の打刻は機械で行われるため、基本的に整っています。
要注意のサイン
- 文字の一部だけ浅い・深い
- 周囲だけ研磨されたような跡がある
- 打刻部分だけ塗装が不自然に新しい
- プレートはあるがフレーム刻印が見当たらない
特に危険なのは番号の不一致です。
✔ 車検証と実車が一致 → 次の確認へ進める
⚠ 一致しない → 原則その場で見送り
私は一致しない車を契約対象にしたことはありません。
ここは妥協しないほうが安全です。
OBD2でのクロスチェック
最近の車は、車載コンピュータ内にもVIN情報が保存されています。
OBD2診断機を使えば、内部データ上のVINを読み取ることが可能です。
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判断基準は明確です。
✔ 打刻VINとOBD表示VINが一致 → 正常の可能性が高い
⚠ 不一致 → 重大リスクの可能性あり
もちろん、OBDだけで安心するのではなく、目視確認とセットで行います。
「削れている=盗難車」とは限らない
ここも冷静な判断が必要です。
長年の腐食や修理で刻印が見えづらくなることもあります。
大切なのは、
- 不自然かどうか
- 説明が合理的かどうか
- 複数箇所で整合しているか

違和感を感じたら、一度立ち止まる。
それだけでリスクは大きく減らせます。
よくある誤解・注意点
ここまで読んでくださった方でも、まだ誤解しやすいポイントがあります。
中古車選びで失敗しないために、よくある勘違いを整理しておきましょう。
① VIN=ナンバープレート番号ではない
ナンバーは登録情報です。
引っ越しや名義変更で変わります。
VIN(車体番号)は車そのものの識別番号。
廃車になるまで基本的に変わりません。
この違いを知らないと、「ナンバーが変わっている=怪しい」と思ってしまうことがあります。
② 17桁でないと怪しい?
国内専用の国産車では、独自形式の車台番号が使われることがあります。
✔ 輸入車 → 17桁VINが基本
✔ 国内専用国産車 → 独自形式も正常
桁数だけで判断するのは危険です。
③ 年式=初度登録年ではない
ここも非常に多い誤解です。
- モデルイヤー(VINの10桁目)
- 製造年
- 初度登録年(ナンバー取得年)
この3つは一致しないことがあります。
特に輸入車では、モデルイヤーと登録年がズレることは珍しくありません。
④ VIN検索すれば事故歴がすべて分かる?
日本では、事故履歴の統合データベースは存在しません。
リコール確認は可能ですが、事故の詳細は販売店の申告や現車確認が重要になります。
データだけに頼らず、目で見て確認することが大切です。
⑤ 刻印が少し薄い=即盗難車?
経年劣化や修理によって見えづらくなることもあります。
判断基準は、
- 不自然な削り跡があるか
- 塗装が不自然に新しいか
- 複数箇所で番号が一致しているか
「違和感があるかどうか」を冷静に見てください。

怖がりすぎず、油断しすぎず。
このバランスが大事です。
購入前チェックリスト|現車確認5分でできる最低限の確認
中古車は「勢い」で契約しやすい商品です。
でも、契約書にサインする前の5分間で、できることは意外と多いんです。
ここでは、私が実際に現車確認で行っている最低限のチェックリストをまとめます。
① 車検証の車台番号を確認
- 車検証の「車台番号」欄を見る
- スマホで撮影しておく
- 桁数・アルファベットを正確に把握する
まずは基準となる番号を押さえます。
ここがすべてのスタートです。
② 実車の打刻(刻印)を確認
- エンジンルーム内のフレーム打刻を探す
- 文字の深さが均一か確認
- 周囲に削り跡・不自然な塗装がないか確認
暗い場所では刻印が見づらいことがあります。
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小さなペンライトがあると、削れや違和感が見えやすくなります。
③ 複数箇所で番号が一致しているか確認
- ダッシュボードプレート
- ドアピラーのラベル
- フレーム打刻
1文字でも違えば、その時点で要注意。
ここは迷わず確認してください。
④ 10桁目でモデルイヤーを確認
- 販売表示年式と大きくズレていないか
- 車種の販売時期と矛盾していないか
登録年だけで判断せず、VINの10桁目も必ず見る。
これだけで年式表示ミスに気づけることがあります。
⑤ リコール検索を実施
- 国土交通省のリコール検索ページで確認
- 未対応なら販売店へ確認
未実施リコールが残っている車は、必ず対応状況を確認してから契約しましょう。
⑥ 可能ならOBDで内部VINも照合
車載コンピュータ内にもVINは保存されています。
QISI公式 OBD2 故障診断機
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打刻VINとOBD表示VINが一致していれば、信頼性はさらに高まります。
判断基準のまとめ
✔ 番号一致・刻印自然・年式整合 → 次の判断へ進める
⚠ 番号不一致・削れ・説明と矛盾 → 一度立ち止まる
このチェックは、慣れれば5分もかかりません。

価格や装備を見る前に、まず番号を確認する。
この順番を守るだけで、リスクは大きく減らせます。
まとめ|車体番号は“最低限の防御ライン”
中古車選びで後悔する人の多くは、「知らなかった」か「確認しなかった」かのどちらかです。
車体番号は、特別な知識や資格がなくても確認できる情報です。
それなのに、見ないまま契約してしまうのは少しもったいないですよね。
押さえておきたいポイント
- 車体番号はその車だけの身分証明書
- 10桁目でモデルイヤーが分かる(30年周期に注意)
- 国内車は17桁でない場合もある
- 番号の一致と打刻状態は必ず確認
- 事故歴の完全把握は別のチェックが必要
私は中古車を見るとき、まず車体番号を確認します。
そこで違和感があれば、その時点で立ち止まります。
価格が安くても、装備が豪華でも、
基本情報に不安がある車は選ばない。
これだけで、大きな失敗を避けられる可能性がぐっと高まります。
車体番号は派手な情報ではありません。
でも、静かにあなたを守ってくれる“最低限の防御ライン”です。
次に中古車を見に行くときは、ぜひ番号を確認してみてください。
たった数分のチェックが、将来の安心につながります。
参考文献
- Wikipedia|Vehicle identification number
- NHTSA(米国国家道路交通安全局)|VIN Decoder
- Australian Government Department of Infrastructure|Vehicle Identification Number (VIN)
- グーネット|車体番号(VIN)の見方・確認方法
よくある質問
- Q車体番号が少し見えづらい場合は購入をやめるべき?
- A
まずは落ち着いて状況を確認します。
- 刻印全体が自然に薄いのか
- 一部だけ不自然に削れているのか
- 周囲の塗装が不自然に新しいか
経年劣化やサビで見えづらくなることはあります。
ただし、一部だけ削れている、周囲だけ研磨されている場合は要注意です。不安が残る場合は、第三者機関の検査を受けるか、その車は見送るのが無難です。
- Qモデルイヤーと初度登録年が1年ズレているのは問題?
- A
必ずしも問題ではありません。
輸入車では特に、モデルイヤーと登録年がズレることは珍しくありません。
判断基準は、
- 販売開始時期と矛盾していないか
- 車検証の情報と整合しているか
1年程度のズレは自然なケースも多いですが、大きな矛盾がある場合は説明を求めましょう。
- QVINが一致していれば絶対に安心?
- A
残念ながら「絶対」はありません。
VINが一致していることは、最低限の安全確認です。
- 整備記録簿の確認
- 下回りやフレームの目視チェック
- 試乗時の違和感確認
これらと組み合わせて初めて、総合的な判断ができます。
VINはスタートライン。
そこから一歩ずつ確認していくことが、中古車選びで失敗しないコツです。







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