ハンドルが重い…それって故障?
最近なんとなくハンドルが重い気がする。
駐車場で切り返すとき、前より力がいる。
「こんなものだったかな?」と少し不安になる。
でも、普通に走れているし、警告灯も出ていない。
だからそのままにしてしまう…という方、実はとても多いんです。
ハンドルの重さは、車からの大事なサインです。
ただし、すぐに「高額修理!」と決めつける必要もありません。
大切なのは、“どの重さが正常で、どこからが異常なのか”を見分けること。
・停車中だけ重いのか
・エンジン回転を上げると軽くなるのか
・片側だけ違和感があるのか
この違いを知るだけで、原因はかなり絞れます。
私は「もっと早く知っていれば…」というケースを何度も見てきました。
逆に、焦って余計な部品交換をしてしまった人もいます。
ハンドルは、命を守るための装置と直結しています。
だからこそ、怖がりすぎず、でも軽く考えすぎず。
一緒に、今の症状がどのレベルなのかを整理していきましょう。
【結論】ハンドルが重いときの判断フロー
ハンドルが重くなる原因はたくさんありますが、「重くなり方」でかなり切り分けできます。
いきなり修理工場に行く前に、次のポイントを思い出してみてください。
症状別・かんたん判断チェック
- 停車中・低速時だけ極端に重い
→ 電動式パワステ(EPS)の異常の可能性 - アイドリング中に重く、エンジン回転を上げると軽くなる
→ 油圧式のベルト滑りやポンプ不調の可能性 - 右だけ・左だけ重い(左右差がある)
→ 機械的トラブル(ラックやタイロッドなど)の可能性 - 警告灯が点灯している
→ 電装系の異常。早めの点検が必要
ここで大事なのは、「重い=全部パワステ故障」と決めつけないことなんです。
例えば、タイヤの空気圧が大きく下がっているだけでも、ハンドルはかなり重くなります。
この場合はパワステは正常です。
逆に、EPS車でバッテリー電圧が弱っていると、アシストが止まり、急に“重ステ”のような状態になります。
つまり、
- ✔ どの速度域で重いのか
- ✔ エンジン回転で変化するか
- ✔ 左右差はあるか
- ✔ 警告灯は出ているか
この4つを整理するだけで、「緊急性のある故障」か「まず確認すべき項目」かが見えてきます。

ハンドルの重さは、“ただの違和感”ではなく、車が出しているヒントなんです。
次は、その仕組みを少しだけ理解して、なぜそう切り分けられるのかを一緒に見ていきましょう。
EPSと油圧式は何が違う?重くなる理由の“仕組み”を理解する
ハンドルが重くなる理由をちゃんと見分けるには、パワステの仕組みを少しだけ知っておくことが近道です。
難しく考えなくて大丈夫。
「誰がハンドルを助けているのか?」を知るだけでOKです。
| 比較項目 | 電動式(EPS) | 油圧式 |
|---|---|---|
| アシストの源 | 電気モーター | 油圧ポンプ(エンジン駆動) |
| 低速時の特性 | 強くアシストする | エンジン回転に依存 |
| 故障傾向 | 電装系トラブル | オイル漏れ・ベルト摩耗 |
| 修理傾向 | ユニット交換で高額になりやすい | 部分修理できる場合が多い |
電動式(EPS)の仕組み
EPSは、ハンドルに加えた力をトルクセンサーが感知します。
その情報をコンピューター(ECU)が判断し、モーターが必要な分だけ力を足してくれます。
だから、
- 低速や駐車時は軽い
- 高速では自然に重くなる
という制御ができるんですね。
でもここがポイント。
電圧が下がるとモーターが十分に働けません。
つまり、バッテリーが弱ると“突然重くなる”ことがあるんです。
EPSとADAS(自動運転支援)の関係
最近の車では、パワステ(EPS)は「ハンドルを軽くする装置」だけではありません。
実は、ADAS(先進運転支援システム)と深く連動しているんです。
EPSは“自動でハンドルを動かす”ための土台
たとえば次のような機能、聞いたことがありますよね。
- 車線維持支援(LKA)
- レーンキープアシスト
- 自動駐車支援
これらはカメラやレーダーで車線や障害物を認識し、
ハンドルを自動で微調整しています。
この「ハンドルを動かす役目」を担っているのがEPSです。
油圧式では基本的に自動制御ができません。
だから、ADAS搭載車はほぼすべて電動式なんですね。
EPS異常=ADAS停止の可能性
ここが大事なポイントです。
EPSに異常が起きると、安全のため次のような制御が入ることがあります。
- 車線維持機能がオフになる
- 自動駐車が使用不可になる
- 警告表示が複数出る
つまり、「ハンドルが重い」だけの問題ではないということです。
とくに最近の車では、パワステと安全支援機能はセットで考える必要があります。
こんな症状は要注意
- ハンドルが重くなった直後にLKAが使えなくなった
- メーター内に「ステアリングアシスト異常」表示
- 複数の警告灯が同時に点灯
このような場合は、単なる操舵補助トラブルではなく、
車両全体の制御系統に影響している可能性があります。
だからこそ“様子見”は慎重に
昔の油圧式なら「ちょっと重いな」で済んだかもしれません。
でも今の車は、
EPS=安全機能の一部です。
運転支援が効かなくなるということは、
想定していた安全マージンが減るということ。
ハンドルの違和感と同時に支援機能が止まった場合は、
早めの点検をおすすめします。
「ただの重さ」ではなく、
車の“頭脳”からのサインかもしれません。
油圧式の仕組み
一方、油圧式はエンジンの回転でポンプを回し、オイルの圧力でハンドルを助けます。
イメージは「水鉄砲の圧力で押す感じ」です。
だから、
- アイドリング時は圧力が弱い
- 回転を上げると軽くなる
という特徴があります。
もしベルトが滑っていたり、ポンプが弱っていたりすると、
低回転時にアシスト不足が起こります。
補足:EPSにも種類がある(コラム式とラック式)
実は、ひとことで「EPS」と言っても、取り付け位置によって大きく2つのタイプに分かれます。
- コラム式EPS
- ラック式EPS
この違いは、故障時の修理費やフィーリングにも関わってきます。
コラム式EPSとは?
ハンドルの軸(ステアリングコラム)にモーターが付いているタイプです。
- 軽自動車やコンパクトカーに多い
- 構造が比較的シンプル
- コストが抑えられている
モーターが車内側にあるため、
比較的コンパクトで軽量なのが特徴です。
修理時もラック式よりは費用が抑えられる傾向があります。
ラック式EPSとは?
タイヤを直接動かす「ステアリングラック本体」にモーターが組み込まれているタイプです。
- 普通車やSUVに多い
- 操舵フィールが自然
- 高出力モーター搭載
ダイレクト感があり、操縦安定性にも優れています。
ただし、故障した場合はラックごと交換になることが多く、
修理費が高額になりやすいのがデメリットです。
どちらが壊れやすい?
一概に「どちらが弱い」とは言えません。
ただし、
- コラム式 → 電圧低下の影響を受けやすい
- ラック式 → ユニット交換で高額になりやすい
という傾向はあります。
自分の車がどちらのタイプかを知っておくだけで、
見積もりを見たときの納得感がまったく変わります。
ここが重要な線引きポイント
・エンジン回転で軽さが変わる → 油圧式
・回転に関係なく突然重い → EPS系
仕組みが違うから、症状の出方も違うんです。

なんとなく重い、ではなく、
「どう重いのか?」を観察することが大事なんですね。
重さの出方でわかる故障タイプ
ここからは、もう少し具体的にいきましょう。
「なんとなく重い」ではなく、どんな場面で重いのかを思い出してください。
実はこれだけで、原因はかなり絞れます。
停車中・低速時だけ極端に重い
駐車場で切り返すときだけやたら重い。
走り出すとそこまで気にならない。
この場合、EPS(電動式)系の異常が疑われます。
EPSは低速時に一番アシストを強くする設計です。
それなのに重いということは、
- モーターの不具合
- トルクセンサーの異常
- バッテリー電圧の低下
このあたりが原因の可能性があります。
とくに見落とされやすいのが電圧低下です。
バッテリーが弱ると、EPSは安全のためアシストを止めることがあります。
バッテリー状態が気になる場合は、簡易テスターで電圧を確認してみるのも一つの方法です。
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エンジン停止時で12Vを大きく下回るようなら要注意。
電圧が安定すれば改善するケースもあります。
アイドリング時に重く、回転を上げると軽くなる
これは油圧式特有の症状です。
エンジン回転が低いと油圧が弱くなり、
回転を上げると軽くなる場合は、
- ベルトの緩み
- ベルトの滑り
- 油圧ポンプの劣化
が疑われます。
キュルキュル音が同時に出ているなら、ベルトの可能性が高いですね。
左右どちらかだけ重い
右に切ると普通、左だけ重い。
またはその逆。
これはパワステよりも機械的な部分を疑います。
- ステアリングラックの摩耗
- タイロッドエンドの固着
- アライメントの狂い
センターがズレている感覚がある場合は、こちらの記事も参考になります。
警告灯が点灯している
メーターパネルにハンドルマークが出ている場合、
自己判断で様子見はおすすめしません。
一度消えても、内部にエラー履歴が残っていることがあります。
故障コードを確認できる診断機があれば、原因の特定が早くなります。
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ただし、コードが出た=必ず部品交換、とは限りません。
あくまで“手がかり”として使うのがコツです。

ポイントは、症状の出方がすべてを教えてくれるということ。
なんとなく不安になる前に、
「いつ・どんなときに重いか」を観察する習慣をつけるだけで、
無駄な出費も防げますよ。
これって故障?よくある勘違いと正しい線引き
ハンドルが重いと感じると、「パワステ壊れたかも…」とすぐ思ってしまいますよね。
でも実は、パワステが原因じゃないケースもかなり多いんです。
ここでは、現場でもよくある“思い込み”を整理していきましょう。
① タイヤ空気圧が低いだけ、というケース
空気圧が大きく下がると、タイヤの接地面積が増えます。
その結果、地面との摩擦が増えてハンドルが重く感じます。
この場合、パワステは正常です。
判断基準の目安はこんな感じです。
- 最近気温が急に下がった
- 重さはあるけど左右差はない
- 走り出せばそこまで違和感はない
まずは空気圧チェック。
ここを飛ばして修理相談に行くのは、ちょっともったいないです。
② 警告灯が消えたから問題なし?
これも本当によくあります。
一瞬だけEPS警告灯が点灯して、エンジンをかけ直したら消えた。
「じゃあ大丈夫かな」と思ってしまう。
でも、電圧低下や一時的なセンサー異常でもエラーは記録されることがあります。
目安としては、
- 再発する → 要点検
- 重さが残っている → 要点検
- 症状なし&再発なし → 様子見可(ただし注意)
“消えた=完全復活”ではない、というのがポイントです。
③ 重いけど普通に走れるから大丈夫?
これは少し危険な考え方です。
たしかにパワステが効かなくても、物理的にはハンドルは回せます。
でも問題は緊急回避時です。
急に飛び出しがあったとき、
重いハンドルでは瞬間的な操作が遅れます。
とくに女性や高齢の方、腕力に自信がない方は要注意です。
④ 「油圧式ならオイル交換で直る」は本当?
フルードが減っているだけなら改善することもあります。
でも、
- ポンプ内部摩耗
- ホースの亀裂
- ラック内部の摩耗
こういった場合は、オイル交換では解決しません。
オイルを足して一時的に軽くなったとしても、
根本原因が残っていれば再発します。
⑤ ハンドルが「軽すぎる」場合も異常のサイン
ここまで「重い」症状を中心にお話してきましたが、
実はもうひとつ見逃してほしくない状態があります。
それが、急にハンドルが軽くなりすぎるケースです。
「軽いならいいことじゃないの?」と思うかもしれません。
でも、普段より明らかにスカスカする、手応えが消えたように感じる場合は注意が必要です。
なぜ軽すぎると危険なの?
ハンドルには本来、タイヤからの抵抗や路面の感触が伝わっています。
これがあるからこそ、車の挙動を自然に感じ取れるんですね。
もし制御異常でアシストが過剰に入ると、
- 操舵感が不自然に軽くなる
- 直進安定性が悪くなる
- 高速道路でふらつきを感じる
といった症状が出ることがあります。
考えられる原因
- トルクセンサーの誤作動
- 舵角センサーの異常
- EPS制御プログラムのエラー
- アライメントの大きな狂い
特にEPS車では、センサー系の異常によって
アシスト量が正しく制御できなくなることがあります。
どの程度なら様子見?どこからが要点検?
| 症状 | 判断目安 |
|---|---|
| いつもより少し軽い気がする | 空気圧やタイヤ状態を確認 |
| 高速でふらつく感じがある | 点検推奨 |
| 急に操舵感が激変した | 早めの点検 |
「重い」だけでなく、「軽すぎる」も違和感です。
ハンドルの感触は、車との大切な対話。
いつもと違うと感じたら、その感覚を大事にしてくださいね。
正常と異常のざっくり線引き
| 状態 | 判断 |
|---|---|
| 少し重いが変化なし | 空気圧・タイヤ要確認 |
| 症状が徐々に悪化 | 点検推奨 |
| 突然極端に重くなる | 要点検(緊急度高) |
| 警告灯点灯 | 早期点検 |
ハンドルの重さは“段階”があります。
いきなり最悪を想定するのではなく、症状の変化を冷静に見ることが大切です。

次は、気になる修理費のリアルなラインを見ていきましょう。
修理費はいくら?覚悟しておくべき“現実ライン”
ここが一番気になりますよね。
「結局いくらかかるの?」という部分。
正直に言うと、パワステの修理費は数千円〜30万円まで幅があります。
だからこそ、原因の切り分けがとても大事なんです。
軽微な修理(数千円〜1万円台)
- パワステフルードの補充・交換
- 駆動ベルトの交換
- 空気圧調整やアライメント軽調整
このレベルなら、大きなダメージではありません。
早めに対処していれば、この範囲で済むことも多いです。
中規模修理(4万円〜10万円前後)
- 油圧ポンプ交換
- パワステホース交換
- ラック周辺部品の交換
ここから少し覚悟が必要になります。
ただし、油圧式の場合は部分修理が可能なことも多いです。
新品ではなくリビルト品(再生部品)を使えば、費用を抑えられるケースもあります。
高額修理(10万円〜30万円)
- EPSモーター+コントロールユニット交換
- ステアリングラック本体交換
EPSはアッセンブリー交換(丸ごと交換)になることが多く、
どうしても高額になりやすい傾向があります。
ここで判断基準が重要です。
| 状況 | 考え方 |
|---|---|
| 走行距離5万km未満 | 修理して乗る価値あり |
| 走行距離10万km超 | 他部品の劣化も考慮 |
| 20万km+高額修理 | 乗り換えも検討 |
走行距離が多い車は、他の部品も同時期に劣化している可能性があります。
長く乗っている車なら、こちらの記事も参考になります。
ポイントは、「修理費だけで判断しないこと」です。
・車への愛着
・今後何年乗るか
・他に大きな修理予定があるか
この3つを合わせて考えると、後悔が少なくなります。

焦って即決するより、まずは正確な見積もりを取る。
そして冷静に判断することが大切です。
🔎 ここまでのまとめ
いったん整理しましょう。
ハンドルが重いとき、見るべきポイントはもう見えてきました。
- 重くなる場面を思い出す(停車中?低速?常に?)
- エンジン回転で変化するかを確認する
- 左右差があるかを感じ取る
- 警告灯の有無をチェックする
この4つで、おおよその方向性は決まります。
仕組みの違いも大切でしたね。
- EPSは電気の力でアシストする
- 油圧式はエンジン回転と油圧でアシストする
だから、
回転数で軽さが変わるなら油圧式、
突然重くなるなら電装系の可能性が高い、というわけです。
そして修理費は、
- 軽微なら数千円
- 中規模で数万円
- EPSユニット交換なら10万〜30万円
原因次第で大きく変わります。
一番もったいないのは、軽微な段階で放置して悪化させること。
逆に、一時的な電圧低下で焦って高額修理に進むのも避けたいところです。
大事なのは、
「怖がる」でもなく、「慣れる」でもなく、「観察する」こと。

では次に、もし走行中に突然ハンドルが重くなった場合、どう行動すべきかを具体的に見ていきましょう。
走行中に突然重くなったら?安全を最優先にする行動手順
走行中にいきなりハンドルが重くなると、正直かなり焦りますよね。
でもここで一番大切なのは、「まず自分と周囲の安全を確保すること」です。
① パニックにならず、しっかり握る
パワステが効かなくなっても、ハンドルは物理的につながっています。
つまり、回らないわけではありません。
ただし、普段よりかなり力が必要になります。
両手でしっかり握り、急な操作は避けてください。
② アクセルを戻してゆっくり減速
急ブレーキは避け、アクセルを戻して自然に減速します。
スピードが落ちれば、必要な操舵力も少し軽くなります。
③ ハザードを点灯させる
周囲に「異常が起きている」ことを知らせるのはとても重要です。
後続車に早めに伝えることで、追突リスクを下げられます。
④ 安全な場所へ停車する
- 路肩
- サービスエリア
- 広めの駐車場
ハンドルが重い状態で無理に走り続けるのは危険です。
とくに市街地では、急な歩行者の飛び出しに対応できなくなる可能性があります。
⑤ 状況を確認する
停車後、次のポイントをチェックします。
- 警告灯は点灯しているか
- 異音は出ていないか
- 車体下にオイル漏れはないか(赤茶色の跡)
油圧式ならオイル漏れの可能性、
EPSなら電装系の可能性が考えられます。
⑥ 無理に自走しない
ハンドルが極端に重い場合は、ロードサービスを利用するのが安全です。
走行中のトラブル対応については、こちらの記事も参考になります。
パワステの不具合は、命に直結する装置のトラブルです。
「まだ走れるから大丈夫」と思わず、安全を最優先に行動してください。
落ち着いて対処すれば、大きな事故は防げます。
放置するとどうなる?最悪シナリオを知っておこう
「まだ走れるから大丈夫」
これがいちばん危ないパターンです。
パワステの異常を放置すると、じわじわ悪化していきます。
そしてある日、急に“取り返しがつかない状態”になることがあります。
① 油圧式:ポンプ焼き付き → 高額修理へ
フルード漏れを放置すると、油圧が不足します。
潤滑が足りないままポンプが回り続けると、内部が摩耗し、最終的に焼き付きます。
最初はホース交換だけで済んだはずが、
- ポンプ交換
- フルード全交換
- 周辺部品交換
という流れになり、修理費は数万円〜10万円以上に跳ね上がります。
② ステアリングラック損傷 → 操舵不能リスク
ラック内部の摩耗や固着を放置すると、最悪の場合、
- 急に重くなる
- 引っかかるような動きになる
- 操作がスムーズに戻らない
といった症状が出ます。
高速走行中にこれが起きると、非常に危険です。
瞬間的な回避操作ができなくなる可能性があります。
③ EPS異常放置 → アシスト完全停止
EPSは電装系トラブルが進行すると、安全制御でアシストを停止します。
突然“重ステ”状態になることもあります。
駐車場ならまだしも、
交差点右折中や狭い道で起きると操作が間に合わないことがあります。
④ ADAS機能停止の可能性
最近の車は、パワステが車線維持支援(LKA)などの安全機能と連動しています。
EPSに異常が出ると、
- 車線維持支援停止
- 自動操舵機能停止
- 警告表示多発
といった影響が出る場合があります。
「パワステだけの問題」と思っていたら、
安全支援システム全体に影響する可能性もあるんです。
⑤ 結果的に修理費が跳ね上がる
一番多いのはこれです。
軽微な段階で直せば数千円だったものが、
放置で数十万円になる。
車は我慢強いですが、限界はあります。

怖がらせたいわけではありません。
でも、パワステは“安全装置”です。
違和感は、車からのメッセージ。
小さなうちに向き合うほうが、結果的に安心で、そして安く済みます。
実際にあったパワステ故障例
ここからは、実際にあったケースをいくつか紹介します。
ケース① 冬の朝、突然ハンドルが激重に
ある軽自動車。
朝一番、エンジンをかけてバックしようとしたら、ハンドルがほとんど動かない。
故障を疑って入庫しましたが、原因はバッテリー電圧の低下でした。
寒い時期はバッテリー性能が落ちます。
電圧が不安定になると、EPSは安全制御でアシストを停止することがあります。
バッテリー交換後は症状消失。
ユニット交換にならずに済みました。
もし「EPSだから高額修理」と決めつけていたら、無駄な出費になっていたかもしれません。
ケース② オイル漏れを放置 → ポンプ焼き付き
油圧式のセダン。
駐車場にうっすら赤いシミが出ていましたが、「少しだけだから」と放置。
数か月後、ハンドルが徐々に重くなり、最終的にポンプが焼き付きました。
最初はホース交換だけで済んだはずが、
ポンプ+ホース交換で修理費は約9万円に。
軽い異変の段階で対処するかどうかで、費用は大きく変わります。
ケース③ 警告灯を無視 → 車検NG
EPS警告灯がたまに点くけど、消えるからそのまま使用。
そのまま車検へ。
結果は不合格。
パワステは保安部品です。
機能に重大な異常がある場合、車検に通らない可能性があります。
結局、ラック一式交換となり高額修理になりました。
ケース④ 「タイヤだけ」だった安心パターン
「最近重い」と入庫したSUV。
原因はタイヤ空気圧が規定より0.6kgf/cm²も低下していました。
空気を適正値に戻しただけで改善。
こういうケースも本当に多いです。
共通しているのは、小さな違和感をどう扱うかです。
・様子を見る
・放置する
・観察して判断する

この差が、数千円で済むか、数十万円になるかを分けます。
「なんとなく重い」を放置しないこと。
でも、必要以上に怖がらないこと。
そのバランスが、いちばん賢い選択なんです。
車種別に見るパワステの傾向|軽自動車・SUV・大型車の違い
同じ「ハンドルが重い」でも、車種によって原因の出やすさは少し違います。
ここを知っておくと、自分の車に当てはめて考えやすくなります。
| 車種 | 傾向 | チェックポイント |
|---|---|---|
| 軽自動車 | コラム式EPSが多い 電圧の影響を受けやすい | バッテリー状態 警告灯の有無 |
| SUV | タイヤ幅が広い 車重が重い | 空気圧 タイヤ摩耗 |
| 大型車・ミニバン | ラック式EPSや油圧式も存在 部品が大きく高額傾向 | オイル漏れ ラック摩耗 |
軽自動車の傾向
軽自動車はコラム式EPSが多く、モーターがハンドル軸側についています。
構造がシンプルで軽量なのがメリットですが、
バッテリー電圧の影響を受けやすい傾向があります。
冬場に突然重くなるケースは、電圧低下が原因のことも少なくありません。
「最近エンジンのかかりが弱いな」と感じているなら、
まずは電源系を疑ってみる価値があります。
SUVの傾向
SUVは車重が重く、タイヤ幅も広いモデルが多いです。
そのため、空気圧が少し下がるだけでもハンドルが重く感じやすい傾向があります。
特にオフロード寄りのタイヤは接地抵抗が大きいため、
正常でも「やや重め」に感じることがあります。
空気圧チェックは最優先。
SUVではとても重要なポイントです。
大型車・ミニバンの傾向
大型セダンやミニバンはラック式EPSや油圧式が採用されていることもあります。
部品が大きく、修理は高額になりやすい傾向があります。
また、前輪荷重が大きいため、ラックやタイロッドの摩耗も出やすいです。
左右差を感じる場合は、機械的トラブルを疑うことが大切です。

同じ「重い」でも、車種によって背景は変わります。
自分の車のタイプを思い浮かべながら、
どのパターンに近いかを照らし合わせてみてください。
車の特徴を知ることは、トラブルを正しく見抜く第一歩です。
まとめ|ハンドルの重さは“車からのサイン”
ハンドルが重くなる原因は、ひとつではありません。
でも今日お伝えしたように、
- どの場面で重いのか
- エンジン回転で変わるか
- 左右差があるか
- 警告灯が出ているか
この4つを整理するだけで、かなり原因は絞れます。
もう一度ポイントを振り返りますね。
- 停車中だけ重い → EPSや電圧系を疑う
- 回転を上げると軽い → 油圧式の可能性
- 片側だけ重い → 機械的トラブル
- 警告灯あり → 早めの点検
そして大事なのは、「重さに慣れないこと」です。
少しずつ悪化すると、人は順応してしまいます。
でも車は確実に状態を伝えてくれています。
私の経験上、
「ちょっと変だな」と思った段階で動いた人ほど、
結果的に安く、安全に済んでいます。
パワステは、快適装備というより安全装置です。
なんとなく重い、を放置しない。
でも、仕組みを理解して冷静に判断する。
それがいちばん賢いカーライフです。
愛車と長く付き合うためにも、
小さな違和感を味方にしていきましょうね。
参考文献
- Power steering – Wikipedia
- Electric vs. Hydraulic Power Steering|Firestone Complete Auto Care
- How Much Does Power Steering Repair Cost?|Sunbit Knowledge Center
- パワーステアリングの仕組みと故障時の症状|グーネットマガジン
よくある質問
- QEPSが壊れても走行はできますか?
- A
結論から言うと、走行自体は可能なことが多いです。
ただし、アシストが効かないためハンドルはかなり重くなります。特に注意したいのは次の状況です。
- 駐車場での切り返し
- 狭い道での低速走行
- 急な回避操作が必要な場面
腕力が必要になるため、緊急時の対応が遅れる可能性があります。
警告灯が出ている場合は、無理をせず点検を受けましょう。
- Q油圧式はオイルを交換すれば直りますか?
- A
ケースによります。
フルードが不足しているだけなら改善することもあります。
しかし、次のような場合はオイル交換では解決しません。- ポンプ内部の摩耗
- ホースの亀裂や劣化
- ステアリングラックの損傷
オイルを足して一時的に軽くなっても、原因が残っていれば再発します。
漏れがある場合は根本修理が必要です。
- Qハンドルが重いと車検は通りませんか?
- A
必ずしも即不合格とは限りませんが、保安基準に影響するレベルの異常があれば通らない可能性があります。
特に、
- 警告灯が点灯している
- 操舵が明らかに異常
- オイル漏れが確認できる
このような状態は指摘されやすいです。
車検直前に慌てないためにも、違和感を感じた段階で点検するほうが結果的に安心です。









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