「大切にしたいから、なるべく乗らずに保管しておこう」──そんな気持ちで車を長期間動かさずにいる方って、実は少なくありません。でも、この“優しさ”が思わぬ落とし穴になることがあるんです。
走行距離が10万kmを超えていても元気に走る車がある一方、ほとんど走っていないのに調子が悪くなる車があるのはなぜでしょう? 実はその原因、エンジンやバッテリー、タイヤなどの部品が「運動不足」になっているからなんです。
アクセルを踏んでもなんとなく加速が鈍い、燃費が落ちてきた、乗り心地が悪くなった…。これらの症状は、人間でいう“身体が固まってしまった状態”に近く、車も動かさない期間が続くと確実に調子を崩してしまいます。
この記事では、車を動かさないことでどんな部分が劣化していくのか。そのメカニズムをわかりやすく解説しながら、元気を取り戻すためのリハビリ方法まで丁寧にお伝えします。
「あまり走らせていないから、うちの車はまだまだ大丈夫…」と思っている方ほど、ぜひ読んでほしい内容です。あなたの愛車がいつまでも健康でいてくれるように、一緒に正しいケアを見直していきましょうね✨
車を動かさないと劣化する理由
車は“動くために作られた機械”なので、しばらく走らせないだけで想像以上に調子を崩してしまいます。ここでは、どんな部品がどんな理由でダメージを受けるのかを順番に見ていきますね。
エンジン内部の油膜切れとドライスタート
エンジンの中にはたくさんの金属部品があり、普段はエンジンオイルの油膜で守られています。でも、1週間以上動かさない期間が続くと、この油膜が下に落ちてしまい、金属同士が直接こすれやすい状態になってしまうんです。
この状態でエンジンをかけると、いわゆる「ドライスタート」が発生。わずか数秒のことですが、金属にとっては大きなダメージになります。
さらに、車を動かさない期間が長くなるとオイル自体が空気と触れて酸化し、エンジン内部の水分が混ざって乳化(白濁)することも。潤滑性能が落ちてしまい、本来のエンジン性能を発揮できなくなってしまいます。
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オイルシール・ゴム類の硬化
オイルシールやブッシュなどのゴム部品は、エンジンが適度に温まることで柔らかさを保っています。でも、動かさずにいると熱が入らず、ゴムが硬くなってプラスチックのように劣化してしまいます。
ゴムが硬くなるとオイル漏れや異音の原因になり、放置時間が長いほど症状は悪化していきます。
バッテリーの自然放電と突然死
バッテリーは、動かしていなくても車内の時計やセキュリティ、ドライブレコーダーなどに少しずつ電力を吸われています。これが自然放電です。
特に最近の車は電子制御が多いため、2週間〜1ヶ月放置すると一気に電圧が低下してしまい、「久しぶりに乗ろうとしたらエンジンがかからない…!」なんてことが起きやすくなります。
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トランスミッション・デフの油膜劣化
エンジンと同様に、ATやMT、デフの中でも金属のギア同士が常にオイルで守られています。でも車が長期間動かないと、こちらも油膜が薄くなり摩耗が進む原因に。
さらに内部のシャフトが回らないことで、オイルシールの柔軟性も失われ、オイル漏れのリスクが高まります。
足回りのブッシュの変形
サスペンションには衝撃を吸収するゴム製のブッシュが使われています。ですが、同じ姿勢のまま放置されているとゴムが変形し、その状態で固まってしまうことも。
すると走行時に異音(コトコト・ギシギシ)が出たり、サスペンションの動きが悪くなって乗り心地が一気に落ちてしまいます。
タイヤのフラットスポット(変形)
車を長期間停めたままにしていると、タイヤの下側だけ潰れた状態が続き、そこに平らな段差=フラットスポットができてしまいます。
数週間の放置なら走行で元に戻ることもありますが、数ヶ月単位になると変形が戻らなくなり、パタパタ音や振動の原因に。溝が残っていても交換せざるをえないケースもあります。
さらに、タイヤは月に約5%ほど空気が抜けるため、長期間乗らない時ほど空気圧のチェックが重要になります。
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車の健康状態を回復させる「リハビリ方法」
まだ完全に壊れてしまったわけでなければ、車は走らせることで少しずつ元気を取り戻すことがあります。ここでは、放置気味だった車に行う“リハビリ”の手順を分かりやすくまとめました。
1. エンジンをかける
まずはエンジンをかけて、オイルを全体に循環させます。しばらく動かしていなかった車の場合、最初の数秒は油膜が不十分な可能性があるので、ここでアクセルを煽ったりせず、優しく始動させてくださいね。
2. ゆっくり30分〜1時間ほど走らせる
エンジンをかけたら、そのまま軽くドライブに出かけましょう。ポイントは急加速・急ブレーキをしないこと。ゆっくり優しい運転で、エンジン・オイル・AT/MT・デフ・足回り・タイヤなど「車全体」を動かしてあげることが大切です。
この走行によって、以下のような効果が期待できます。
- エンジンオイルが完全に温まり、潤滑性能が回復する
- オイルシールやゴム類が熱で柔らかさを取り戻す
- AT/MT・デフの内部ギアに再び油膜が形成される
- 足回りのブッシュが動き、固着がほぐれる
- タイヤが正常な形に戻り、空気圧が安定する
「え、アイドリングじゃダメなの?」と思う方もいるかもしれませんが、実は駐車場でエンジンだけを動かすのは効果が限定的なんです。
アイドリングだけでは回復しない理由
アイドリングではエンジンは動いても、トランスミッション・デフ・足回り・タイヤはまったく動きません。つまり、車の大部分が“運動不足のまま”になってしまうんです。
特にATやデフのオイルは、ギアが回転して初めて全体を循環するため、アイドリングでは十分な温度にも達しません。そのため走行が不可欠なんですね。
長期間乗らないときのポイント
「どうしても月に数回しか乗れない…」という方は、以下を意識すると劣化をかなり防げます。
- 月1〜2回は30分以上のドライブをする
- 月1回は空気圧チェック(約5%は自然に抜ける)
- できれば満タン近くにしておく(ガソリン劣化を抑える)
- バッテリーはメンテナンス充電を活用する

車は動かしてあげるほど健康を維持できます。普段乗らない人ほど、たまのドライブが車にとって最高の“運動”になるんですよ。
長期間乗らない場合の予防策
「仕事が忙しくてなかなか車に乗れない…」「普段は別の車を使っているから、サブカーは動かす機会が少ない」──こんな状態が続くと、車には確実に負担が溜まっていきます。
でも安心してください。ちょっとした習慣を取り入れるだけで、放置による劣化をしっかり防ぐことができます。ここでは“最低限やっておくと安心”な予防策をまとめました。
月1〜2回は、30分以上のドライブをする
車の健康維持に最も効果的なのは、やっぱり実際に走らせることです。
30分以上の走行で、エンジン・AT/MT・デフオイル・足回り・タイヤなどがしっかり動き、熱がきちんと入るので、車全体の調子を取り戻せます。
ちょっとした買い物でもいいので、月に1〜2回の“リフレッシュ走行”を習慣にすると車が驚くほど元気になりますよ。
月1回はタイヤの空気圧チェック
タイヤは1ヶ月で約5%ほど自然に空気が抜けると言われています。特に長期間動かさない車はフラットスポット(変形)も起こりやすいため、空気圧管理はかなり重要です。
駐車場に置きっぱなしにする期間が長いほど、タイヤは車重で偏った力がかかり続けます。空気圧を整えるだけでも、変形のリスクがぐっと減ります。
ガソリンはできれば満タン近くにしておく
ガソリンは保管環境によって数ヶ月で酸化や変質が始まります。タンク内に空気が多いほど劣化が進みやすいため、長期間乗らない前はなるべく満タンに近い状態にしておくと安心です。
また、満タンにすることでタンク内部の結露も防ぎやすくなり、錆びの原因も抑えられます。
バッテリーは“メンテナンス充電”が一番確実
車を動かさないことで最も劣化しやすいのがバッテリーです。特に最近の車は電子制御が多いため、2〜3週間乗らないだけでも電圧が下がるケースがあります。
そんなときに役立つのが、前項でも紹介したメンテナンス充電器。つないでおくだけで常に最適な状態に保てるので、「いざ乗ろうと思ったらエンジンがかからない…」という不安から解放されます。
タイヤは横向き保管が基本(外した場合)
長期間車を動かさない場合、タイヤの保管も見落としがちなポイントです。
- スタンドに立てるより、横向きに寝かせて保管する
- 直射日光を避け、室内または日陰の風通しが良い場所に置く
- ホイール付きなら空気圧を少し高めに調整しておく
特にホイール付きで保管する場合は、潰れ防止のために定期的な空気圧チェックが欠かせません。「乗らない期間が長いほど気をつける」これがタイヤを長持ちさせるコツです。
車体カバーは“風対策”を忘れずに
車を外置きしている方は車体カバーを使うことが多いと思いますが、風でバタつくと塗装を傷つける原因になります。
しっかり固定できるベルト付きカバーや、裏地が柔らかいタイプを選ぶと愛車のボディを優しく守れますよ。

これらの予防策を取り入れておくだけで、長期間乗らない車でも健康状態をかなり維持できます。少しの手間が、愛車の寿命を大きく伸ばしてくれますよ。
まとめ
車は「大切にしよう」と思って動かさずにいるほど、実はじわじわと元気を失ってしまいます。エンジンの油膜切れ、バッテリーの自然放電、ゴム類の硬化、タイヤの変形など、放置が原因で起きるトラブルは意外と多く、しかもゆっくり確実に進んでしまうんです。
でも、ちゃんと走らせてあげれば車はしっかり応えてくれます。30分〜1時間のゆったりドライブを月に数回取り入れるだけで、エンジン・足回り・タイヤなど、車全体が本来の調子を取り戻してくれますよ。
長期間乗らない場合も、空気圧のチェック、満タン保管、バッテリーのメンテナンス充電といった簡単な習慣を取り入れるだけで、愛車の寿命はぐっと伸びます。
車はあなたの相棒のような存在。ちょっとした気遣いで、長く元気に走り続けてくれます。愛車に「いつもありがとう」と思いながら、今日からできることを少しずつ実践してみてくださいね。
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よくある質問
- Q月にどれくらい走れば車の健康を保てますか?
- A
理想は月に1〜2回、30分以上の走行です。短時間の「ちょい乗り」よりも、しっかりエンジンやAT・デフが温まる距離を走るほうが、車の調子を安定させられます。どうしても乗れない時はバッテリー充電や空気圧チェックだけでも効果がありますよ。
- Qちょい乗りばかりでも車は劣化しますか?
- A
はい、実はちょい乗りは放置よりも劣化しやすいことがあります。エンジンが十分に温まらず、オイルが乳化したり、バッテリーの充電が追いつかなかったり、部品が適温まで達しないことが多いためです。できれば一度の走行時間を長めに取ってあげると車に優しいですよ。
- Q長期間乗らないときに最低限やっておくべきことは?
- A
下記の4つを押さえておくと安心です。
- タイヤの空気圧チェック(月1回)
- バッテリーのメンテナンス充電
- ガソリンは満タン近くにしておく
- 可能なら月1回以上の走行をする
これだけでも劣化を大幅に抑えられるので、車を長持ちさせたい方におすすめです。






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