はじめに|NAエンジンが減っている理由、気になりませんか?
近年、新しく登場するクルマを見ていると、「あれ?昔よりNA(自然吸気)エンジンが減ってない?」と感じたことはありませんか?
実はその感覚、まさに正解です。
かつて多くの車に搭載されていたNAエンジンは、今や絶滅危惧種といえるほどに姿を消しつつあります。代わりに増えているのが「ターボエンジン」、とくに“ダウンサイジングターボ”と呼ばれるものです。
でも、こんな疑問を持った方も多いのではないでしょうか?
「ターボってパワー重視で燃費は悪いんじゃないの?」
「なんでNAエンジンが減って、ターボばかりになるの?」
昔は「ターボ=速さ・高性能・燃費悪い」というイメージが主流でした。でも今は違います。
現在のターボは、燃費を良くするために使われているんです。
この記事では、そんな「ダウンサイジングターボ」の仕組みや、なぜNAエンジンが減ってきたのか、その理由をわかりやすく解説していきます。
さらに、ハイブリッド車との違いや、これからのエンジンの方向性として注目される「ライトサイジング」という考え方まで、まとめてご紹介。
車の仕組みに詳しくなくても大丈夫!日常会話のような感覚で、気軽に読める内容になっています。
「なんとなくNAが好きだったのに、なぜターボが主流に?」というモヤモヤを、一緒にスッキリさせましょう!
1. ターボの仕組みとNAエンジンとの違い
● NAエンジンってどんな仕組み?
まずは、NA(自然吸気)エンジンについて簡単におさらいしておきましょう。
NAエンジンとは、外の空気を自力で吸い込んで燃やすタイプのエンジンです。エンジン内部のシリンダーがピストンの動きによって空気を吸い込み、燃料と混ぜて爆発させることでパワーを出します。
この仕組みはとてもシンプルで信頼性が高く、古くから多くの車に採用されてきました。
ただし、NAエンジンには1つの限界があります。
それは、「吸い込める空気の量はエンジンの排気量(サイズ)に比例する」ということ。つまり、小さいエンジンはそれだけ空気も少なく、出せる力も小さいんです。
● ターボエンジンってどう違うの?
そこで登場するのが「ターボエンジン」です!
ターボは、簡単に言うとエンジンに強制的に空気を送り込んで、パワーを増やす装置のこと。ちょうど、焚き火にうちわで風を送って火を強くするようなイメージです。
この装置は、排気ガスの力でタービン(羽)を回し、その回転を使って吸気側に空気を押し込む「過給(かきゅう)」を行います。
空気を多く入れられるということは、燃料も多く燃やせる=より大きなパワーを出せる、というわけですね。
✅ 要するに…
NAエンジン=自然に空気を吸う
ターボエンジン=空気を押し込んで吸わせる
● ターボのサイズによって特徴が違う!?
ここで1つ知っておいてほしいのが「ターボの羽(タービン)の大きさ」です。
- 大きなターボ:回すのに強い排気エネルギーが必要。→ 高回転域で本領発揮するけど、加速までにラグ(遅れ)がある。
- 小さなターボ:弱い排気でも回りやすい。→ 低回転から素早く加速するけど、出せるパワーには限界がある。

これを例えるなら、自転車のギアのようなもの。大きいギアはスピードが出るけど漕ぎ始めは重く、小さいギアは軽くこげるけどスピードは出にくい、そんなイメージです。
2. ダウンサイジングターボの登場とその狙い
● ダウンサイジングターボとは?
「ターボ=スポーツカー向けのパワー装置」──そんなイメージを持っている方も多いかもしれません。
でも、現代のターボエンジンは“燃費を良くする”ための道具として進化しているんです。
それが「ダウンサイジングターボ」。
これは、車に搭載するエンジンの排気量を小さく(=ダウンサイジング)し、足りないパワーを小型ターボで補うという考え方。
「燃費が良くなるのに、走りもキビキビ!」と、まさに一石二鳥の技術なんです。
● なぜ排気量を小さくすると燃費が良くなるの?
排気量を下げると、エンジンの部品も小さく軽くなります。すると…
- ピストンの動きが軽くなる
- 部品同士の摩擦が減る
- 必要な燃料も少なくて済む
といった**“機械的損失”が減って効率がアップ**します。
さらに、気筒数(エンジン内部の部屋の数)を減らせば、部品も少なくなり、エンジン自体が軽量化。これも燃費向上に貢献します。
ただし、小排気量のままだとトルク(押し出す力)が弱くなってしまいます。そこで登場するのが、低回転から効く小型ターボです。
この小さなターボがエンジンの“足りない部分”を補い、低回転でもパワフルな走りを実現してくれます。
● ダウンサイジングターボの実例
この技術を広めた立役者の一つが、2006年登場の「フォルクスワーゲン・ゴルフ GT TSI」。1.4Lという小さな排気量にターボとスーパーチャージャーを組み合わせ、当時は画期的と話題になりました。
現在では、以下のような車種にも採用されています:
- ホンダ ステップワゴン(5代目):2.0L NA → 1.5Lターボへ
- BMW M3、メルセデス C63 AMG、アウディ RS5:高性能モデルも続々ターボ化
- スズキ スイフト、日産 ノートなどのコンパクトカー:低燃費を重視した設計

今や燃費性能や環境性能を重視する欧州メーカーだけでなく、日本車でもどんどん主流になってきている技術なんです。
3. ハイブリッド vs ダウンサイジングターボ|日本市場の現実
● 日本ではターボよりハイブリッドが主流?
「燃費がいい車」と聞いて、多くの人が思い浮かべるのはハイブリッドカーではないでしょうか?
実際、日本の街中を走る車の多くがハイブリッド化されています。これは信号が多く、停止・発進の繰り返しが多い日本の道路事情にぴったりだからです。
一方、欧州ではダウンサイジングターボが普及していますが、日本ではそれほど主流にはなっていません。その理由、気になりますよね?
● 両者の特徴をわかりやすく比較!
| 特徴 | ダウンサイジングターボ | ハイブリッド |
|---|---|---|
| 補助の仕組み | 小型ターボで過給 | 電気モーターでアシスト |
| 低速トルク | 低回転から効くが限界あり | 発進から最大トルク発揮 |
| 街乗り | やや苦手(発進時に回転必要) | 得意(ストップ&ゴーに強い) |
| 高速道路 | 得意(巡航時の効率が良い) | やや苦手(回生減速が活かしにくい) |
| 車両価格 | 比較的安い | 高め |
| メンテナンス | シンプルで整備しやすい | 複雑(モーター・バッテリー) |
🔍 結論:街中ではハイブリッドが優位。郊外や高速ならダウンサイジングターボも魅力的!
● コストで見ると、どっちがお得?
ここで一つ、ユーザー目線で重要な「コスパ」も比較してみましょう。
例えば、ホンダ・ステップワゴンの場合:
- ハイブリッドモデルはターボモデルより約38万円高い
- 年間走行距離5,000kmなら、ガソリン代の差は年間2.1万円
- この差額を回収するのに必要な年数は…約18年!
つまり、毎年の燃料代で得をしても、車両価格の差を埋めるのは大変ということ。さらに、ハイブリッドはバッテリー交換などのメンテナンスコストも考えると、長期的に見て必ずしも「お得」とは言い切れません。
● 乗り味も大きく違う!
「乗り心地」にも好みが分かれるポイントがあります。
- ハイブリッド:加速がスムーズで静か。でも、人によっては“電気っぽい”違和感を覚えることも。
- ダウンサイジングターボ:従来のガソリン車に近いフィーリングで、“車らしい加速感”があると好む人も多いです。

走りの自然さや整備性を重視するなら、ターボの方がしっくり来るかもしれませんね。
4. ライトサイジングという新たな選択肢
● ダウンサイジングの限界が見えてきた?
ここまで読んで、
「ダウンサイジングターボって完璧じゃん!」
と思った方、ちょっと待ってください。実は、欧州では最近「排気量を少し戻す動き」が起きているんです。
その名も「ライトサイジング」。
文字どおり、“ちょうどいいサイズ感”を目指すという考え方で、過度な小排気量化の反動ともいえるトレンドです。
● なぜライトサイジングが注目されているの?
最大の理由は、燃費測定方法の変化です。
2010年代までは、燃費測定に「JC08モード」や「NEDC」などのシミュレーション走行が使われていましたが、最近は「WLTCモード(WLTP)」というより実走に近い方式が採用されています。
このWLTCでは、以下のような多様な運転条件で燃費を評価します:
- 市街地(ストップ&ゴー)
- 郊外(中速クルーズ)
- 高速道路(巡航)
- 超高速(欧州のみ)
ここで問題になるのが、極端に排気量を小さくしたダウンサイジングターボは、ストップ&ゴーで効率が落ちるという点。排気量が小さすぎると、頻繁な発進加速や上り坂でターボが無理に働き、かえって燃費が悪化する場面もあるんです。
これが、ライトサイジングの登場する背景です。
● ライトサイジング=適正な排気量+効率のいい過給
ライトサイジングでは、車体重量や走行シーンに合った“ほどよい排気量”を設定し、そのうえでターボなどの技術を組み合わせてパフォーマンスと燃費を両立します。
たとえば以下のような車種が該当します:
- BMW 3シリーズ:1.5L → 2.0Lターボ+マイルドハイブリッドへ
- アウディ A4:1.4L → 2.0Lへ拡大し、効率と実用性を重視
これは、排気量アップ=燃費悪化という単純な図式ではなく、
「排気量が適正なら、ターボをムリに回さず済み、実用燃費はむしろ良くなる」
という新しい視点に立った設計思想なんですね。
● 極端な小排気量化のデメリットとは?
- 坂道や高速でターボの出番が多くなる
- ターボを酷使すると熱的負担やメンテコストが増える
- 実燃費がカタログ数値より悪くなるケースが多い

こういった“使ってみて分かる不満”が出てきたことで、ダウンサイジングからの揺り戻しが起きているのです。
5. これからのエンジンはどうなる?NAの未来は…
● NAエンジンの行く末は…“消滅寸前”?
長年、ドライバーに親しまれてきた**NAエンジン(自然吸気エンジン)**ですが、近年では新車で搭載されるケースがどんどん減ってきています。
その理由は明確です。
✅ 排ガス規制と燃費基準の厳格化。
CO₂排出量を減らす世界的な流れのなかで、「大排気量+NAで力強い走り」という昔ながらの価値観は、徐々に時代遅れになってきています。
もちろん、NAエンジンには独特の滑らかさやレスポンスの良さなど、走りの楽しさがあります。でも今の主流は…
- 排気量はできるだけ下げる
- 必要なときだけ、ターボやモーターで補う
という**“効率優先”のエンジン設計**です。
● ターボ+ハイブリッドの時代へ
最近の車は、ターボに加えてハイブリッド(電動モーター)も組み合わせるのが当たり前になってきました。
例:トヨタ クラウン、スズキ スイフトスポーツ(次期型)、フェラーリ 296 GTBなど
なんと、フェラーリのようなスーパーカーですらダウンサイジング&ハイブリッド化されているのです。
これは単なる燃費向上だけでなく、環境規制をクリアしつつ走りも犠牲にしない“最適解”を求めた結果といえるでしょう。
つまり今は、「NAで全部まかなう」よりも、
「必要な部分だけ効率的に補う」という考え方がエンジン開発の主軸なのです。
● 今後の主流エンジンはこうなる!
これからのエンジンに求められるのは、以下のようなバランスです。
- 小さくても力強く
- 燃費も良く、排出ガスも少なく
- 乗って気持ちいいフィーリングも大事
そのため、今後主流となるのは…
✅「ライトサイジング+ターボ+マイルドハイブリッド」のような複合設計
というわけです。
まとめ|「燃費=小排気量」だけじゃない時代に突入!
かつて「パワーのターボ」「燃費のNA」というイメージが定着していたクルマの世界。
でも今は、その常識が大きく変わっています。
- ターボは燃費向上のための装備に進化
- NAエンジンは減少し、効率的な補助機構が主流に
- 小排気量+ターボの「ダウンサイジング」
- 適正排気量を選ぶ「ライトサイジング」
- 電動技術と融合する「ハイブリッド化」
これらはすべて、“走り”と“燃費”と“環境性能”のバランスを取るために選ばれた技術です。
そして、それぞれの車の特性や使い方によって、「どんなエンジンが最適か」は変わってきます。
だからこそ、自分にとって本当に合ったエンジンを選ぶには、
「車の使い方 × エンジンの特徴」
この掛け合わせをしっかり理解しておくことが大切なんですね。
今後、電動化がさらに進む中でも、ターボエンジンの活躍はまだまだ続きそうです。クルマ選びの参考に、ぜひこの知識を役立ててください!
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よくある質問
- Qターボエンジンって壊れやすいって聞くけど本当?
- A
昔はそういう傾向もありましたが、今は違います。
一昔前のターボ車は、熱に弱かったりオイル管理がシビアだったりと、少し手間がかかる存在でした。でも、現在のターボエンジンは設計や冷却性能が大幅に進化しており、適切なオイル交換さえしていれば故障リスクはかなり低くなっています。
🔧 ワンポイント:走行直後のエンジン停止は避けて、少しアイドリングしてから止めると◎(特に高速道路や長距離走行後)
- Qハイブリッドの方が燃費がいいのに、なぜターボを選ぶ人がいるの?
- A
燃費だけが全てじゃないからです!
ハイブリッド車はたしかに燃費性能が優れていますが、車両価格が高かったり、バッテリー交換のコストが気になったりします。
一方でダウンサイジングターボ車は、
- 自然な走行フィーリング
- 車両価格が抑えめ
- メンテナンスが比較的シンプル
などの理由で選ばれています。「走りの気持ちよさ」や「価格とのバランス」で選ぶ人も多いんです。
- QライトサイジングってNAエンジンに戻るってこと?
- A
いいえ、“ちょうどいい排気量のターボ”がポイントです。
ライトサイジングは「大きすぎず、小さすぎず、クルマに合ったエンジンサイズ」にしようという考え方。NAに戻るわけではなく、ターボやハイブリッドと組み合わせて効率よく走ることを目指しています。
つまり、走行環境に応じて燃費を最適化するための“バランス重視の技術”なんですね。






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