はじめに|「サスペンションって何?」
クルマの話題でよく耳にする「サスペンション」。でも実際のところ、「名前は聞いたことあるけど、何をしてる部品なのかよく知らない」という方も多いのではないでしょうか?
サスペンションは、車の乗り心地や安全性を支える“縁の下の力持ち”のような存在。見た目にはわかりにくいけれど、私たちが快適に、そして安定して運転できるのは、このサスペンションが頑張ってくれているからなんです。
たとえば、段差を乗り越えたときにガタンとならずにスッといなしてくれたり、カーブを曲がるときに車体がフラつかずにしっかり踏ん張ってくれたり。実は、そうした動きの裏側にはサスペンションの「吸収」や「支え」の力が働いています。
そして一言で「サスペンション」と言っても、その形式にはいくつも種類があり、それぞれ構造も特徴も違います。車種によっては、フロントとリアで形式が違うことも珍しくありません。
この記事では、そんな奥深いサスペンションの世界を、できるだけわかりやすく解説していきます。構造の基本から、よく使われている主要な形式、そしてそれぞれのメリット・デメリットまで網羅しているので、
✔ クルマの仕組みをもっと知りたい
✔ どんなサスペンションが自分に合ってるか気になる
✔ 車選びの参考にしたい
そんな方にピッタリの内容になっています。
難しそうに思える話題ですが、例えや図解も交えて丁寧に紹介していきますので、リラックスして読み進めてくださいね。それでは、サスペンションの世界へ出発しましょう!
サスペンションの基本的な役割とは?
サスペンションには、クルマの性能や安全性に関わる大切な役割がいくつもあります。その中でも特に重要なのが、次の3つの機能です。
1. 衝撃を吸収して乗り心地をよくする
まずイメージしやすいのが「衝撃吸収」の役割です。道路には小さな凹凸や段差がたくさんあります。サスペンションがなければ、それらの衝撃はダイレクトに車体に伝わり、乗っている人はガタガタと大きな揺れを感じることになります。
サスペンションは、スプリング(バネ)やショックアブソーバーといった部品で構成されていて、これらが上下に動くことで、地面からの衝撃をやわらげてくれるんです。まるでクッションのように、道路のデコボコをいなしてくれるわけですね。
2. タイヤをしっかり路面に押しつける
次に大事なのが「路面追従性(ついじゅうせい)」です。これは、タイヤが常に地面と接触した状態を保つことを意味します。
たとえば、段差やカーブでタイヤが浮いてしまったら、当然ながらブレーキもハンドル操作も効かなくなってしまいます。そんなときでも、サスペンションがしなやかに動いてタイヤを地面に押しつけてくれることで、安定して走れるようになるんです。
3. カーブやブレーキ時の姿勢を安定させる
最後に、車が曲がるときやブレーキをかけるときの「安定性」を保つのも、サスペンションの大切な仕事です。
車は走行中、重心が前後左右に動きます。ブレーキを踏むと前のめりになったり、カーブでは横に傾いたりしますよね。このときに車体がフラフラすると、運転もしづらいし、乗っている人も不安になります。
でも、しっかり設計されたサスペンションがあれば、車体がグラつくのを抑え、スムーズに姿勢を保ってくれるんです。運転が安定するだけでなく、酔いにくくなるという効果もありますよ。

このように、サスペンションはただのバネではなく、車の“快適さ・安全・操作性”すべてに関わるとても大事なパーツなんです。
サスペンションの主な構成要素とその働き
「サスペンションって、バネでしょ?」と思われがちですが、実はバネ以外にもいくつかの重要な部品で構成されています。それぞれの役割を知ることで、サスペンションの仕組みがぐっと分かりやすくなりますよ。
1. コイルスプリング|クッションのように衝撃を和らげる
コイルスプリングは、クルクルと巻かれた金属製のバネ。路面からの振動や衝撃を吸収して、車体に伝わる揺れをやわらげてくれます。
バネの「硬さ」は、使われる素材の太さや長さ、巻き数などで調整されていて、スポーツカーでは硬め、ファミリーカーでは柔らかめに設定されていることが多いです。
ちなみに、一部の車では**リーフスプリング(板バネ)**が使われている場合もあります。こちらはトラックや古い車でよく見られ、荷重に強いのが特徴です。
2. ショックアブソーバー|バネの揺れをコントロールする
バネだけだと、跳ね返る力でいつまでもピョンピョン揺れてしまいますよね。そこで必要になるのが、ショックアブソーバー(通称「ダンパー」)です。
ショックアブソーバーは、バネの揺れをゆっくりと抑える役割を持っています。中にはオイルが入っていて、ピストンの動きに抵抗をかけることで、バネの動きをスムーズに減速してくれる仕組みです。
これがなかったら、ちょっとした段差を越えたあとも車が上下にフワフワし続けて、とても不安定な乗り心地になってしまいます。
3. サスペンションアーム|車体とタイヤをつなぐ「関節」
サスペンションアームは、車体とタイヤ(正確にはハブやナックル)をつなぐ“関節”のような役割を果たす部品です。
アームの形や数、長さなどによって、サスペンションの動き方が決まります。この設計次第で、コーナリングのしやすさや乗り心地、さらには車内スペースの広さまで変わってくるんです。
代表的な構造としては、**A字型やH型の「アッパーアーム/ロアアーム」**を使ったダブルウィッシュボーン式などがあります。

このように、サスペンションはただの「バネ+ダンパー」ではなく、タイヤの動きをコントロールするための精密な連携パーツの集合体なんです。
大きく分けて2種類!サスペンション形式の違い
サスペンションの構造には実はいろいろな種類がありますが、その基本となる分類はたったの2つ。それが…
● 車軸懸架式(しゃじくけんかしき)
● 独立懸架式(どくりつけんかしき)
この2つの違いを理解することが、サスペンションの仕組みを理解する第一歩になります。
車軸懸架式(リジッド式)|タイヤが「つながっている」
車軸懸架式とは、左右のタイヤが一本のシャフト(車軸)で物理的につながっている構造です。つまり、片方のタイヤが上下に動くと、もう一方にも影響が及びます。
たとえばこんな特徴があります:
- 衝撃が左右に伝わるため、路面の凹凸が乗り心地に影響しやすい
- 構造がシンプルでコストが安い
- 耐久性が高く、オフロードやトラックなどに向いている
最近では「リジッドアクスル」や「トーションビーム」といった形式が、この車軸懸架式に分類されます。
独立懸架式|左右のタイヤが「それぞれ別々に動く」
一方で、独立懸架式は左右のタイヤが独立して動く構造です。つまり、片方のタイヤが段差を乗り越えても、もう一方には直接影響しないようになっています。
メリットはたくさん:
- 路面追従性が高く、乗り心地が良い
- コーナリング時に車体が安定しやすい
- 操作性・快適性に優れるため、普通乗用車やスポーツカーで多く採用されている
代表的な形式として「マクファーソンストラット」や「ダブルウィッシュボーン」、「マルチリンク」などがあります。
どちらが“優れている”わけではない
「独立懸架の方がすごそう!」と思うかもしれませんが、実は一概には言えません。というのも、サスペンションに求められる性能は、車の“使い方”によって変わるからです。
- トラックやオフロードカーなら「丈夫さ」や「耐荷重」が大事 → 車軸懸架式が有利
- 乗用車やスポーツカーなら「乗り心地」や「安定性」 → 独立懸架式が有利
つまり、「どっちが優れてるか」より「どう使うか」が大切なんです。

次は、実際に現代の車でよく使われている5つのサスペンション形式を、それぞれ詳しく見ていきましょう。あなたの愛車にも使われている形式があるかもしれませんよ!
主要なサスペンション形式5選と特徴解説
ここからは、現代の車に採用されている代表的なサスペンション形式を5つ紹介します。それぞれの構造・メリット・デメリットをわかりやすくまとめました。
【1】マクファーソンストラット|最もよく使われるフロントサス
採用例:トヨタ・ヤリス、日産ノート、ホンダ・フィットなど多くのFF車
マクファーソンストラットは、サスペンションの支柱部分(ストラット)がショックアブソーバーの一部として機能する構造です。構造がシンプルなので部品点数が少なく、製造コストも抑えられるのが特徴です。
メリット:
- コンパクトで軽量
- コストが安い
- ストロークが取りやすく、段差に強い
デメリット:
- スポーツ走行にはやや不向き(剛性が低め)
- ダンパーに横方向の力がかかりやすい
- ストローク時にタイヤの角度(キャンバー)が外向きになりやすい
【2】ダブルウィッシュボーン|スポーツカー御用達
採用例:スバル・WRX、ホンダ・S2000、F1マシンなど
上下2本のアームで構成され、車体とタイヤの間に高い自由度を持たせられるのがこの形式。走行中のタイヤの角度や動きを精密に制御できるため、ハンドリング性能や安定性に優れています。
メリット:
- キャンバー変化が少なく接地性が高い
- ハンドリング性能が高い
- 設計の自由度が大きい
デメリット:
- 部品点数が多く、製造コストが高い
- スペースを取るためコンパクトカーには不向き
【3】マルチリンク|高級車やリアに多く採用される万能型
採用例:レクサス・LS、BMW 3シリーズなどの輸入車や高級車
マルチリンクは、3~5本のリンク(アーム)を組み合わせて、複雑で緻密な動きができるようにしたもの。特にリアサスペンションに使われることが多く、乗り心地と安定性を両立しています。
メリット:
- サスペンションの動きを細かく制御できる
- ロードノイズを抑えやすい
- ハンドリングと快適性を両立
デメリット:
- 非常に複雑でコストが高い
- 設計ミスがあると性能が落ちやすい
【4】トーションビーム|安さと実用性のバランス型
採用例:トヨタ・アクア、ホンダ・フィット(リア)など
左右のタイヤをつなぐビームがねじれて、ある程度左右別々の動きを許容する“半独立懸架式”ともいえる形式。FF車のリアサスによく使われます。
メリット:
- シンプルで安価、スペース効率も良好
- 部品点数が少なく、壊れにくい
- 室内空間やトランクを広く取れる
デメリット:
- 高速コーナーでの追従性はやや劣る
- 路面によっては突き上げ感が出やすい
【5】リジッドアクスル|悪路でも信頼できる強さ
採用例:スズキ・ジムニー、トヨタ・ハイラックスなどのクロカン車
タイヤ同士がしっかりとつながっている完全な“車軸式”。片方のタイヤが動くと、もう片方も一緒に動く構造です。バネ下重量は重くなりますが、耐久性と悪路走破性は抜群です。
メリット:
- シンプルで丈夫、修理もしやすい
- オフロードでのトラクション性能が高い
- すべてのタイヤに力が伝わりやすい
デメリット:
- 高速走行での安定性はやや低め
- バネ下重量が大きく、乗り心地に影響しやすい

サスペンションの形式には、それぞれに合った「適材適所」があります。高性能を追求したいのか、それともコスパや実用性を重視するのか――それによってベストな形式も変わってきます。
良いサスペンションの条件とは?
「この車、乗り心地いいな」「なんかハンドルが思い通りに切れる!」――そんな風に感じたことがある人も多いのではないでしょうか?
その“乗り味の違い”を作っているのが、まさにサスペンションです。ただし、どんなサスペンションが「良い」のかは、実は車の使い方や目的によって違います。ここでは、共通して求められる2つの基本条件を紹介します。
1. 衝撃や振動をしっかり吸収できる
まず何より大事なのが、「タイヤがしっかり路面に接地していること」。これがサスペンションにとっての第一の使命です。
段差を越えたとき、荒れた路面を走ったとき、車体が跳ねずにスムーズに進む――これこそが“衝撃吸収”の力。バネとショックアブソーバーが適切に働くことで、乗っている人も、積んでいる荷物も、車の部品も守られるわけです。
また、衝撃を吸収するだけでなく、そのあと「早く安定させる」ことも大切です。いつまでもフワフワしていたら、ブレーキもハンドルも不安定になってしまいます。
2. リアサスペンションで車体全体を安定させる
サスペンションと聞くと、どうしても「フロント側(前側)」ばかりに注目しがちですが、実は**リアサスペンション(後ろ側)**の働きも非常に重要です。
特にカーブを曲がるときや、急ブレーキをかけたとき、車の姿勢が崩れそうになるのを支えてくれるのがリアサス。ここが踏ん張ってくれるからこそ、フロントタイヤが思い通りに動き、スピンやふらつきを防げるんです。
つまり、コーナリング性能や安定感は「リアの踏ん張り」があってこそ成り立つ、ということなんですね。
「形式」だけでは判断できない理由
よく「マルチリンクだから乗り心地が良い」とか「トーションビームは安っぽい」と言われることもありますが、実際にはそれだけで判断するのは早計です。
- 車体の剛性
- 重心の高さ
- サスペンションの取り付け角度や設定
- 車両全体のパッケージング
こういった複数の要素が絡み合って、最終的な“乗り味”が決まります。**形式はあくまで“材料のひとつ”**というわけですね。

良いサスペンションとは、車の目的やコンセプトに合った「バランスの良い設計」がされていること。乗り比べて「これ、気持ちいいな」と思える感覚こそが、何よりの答えかもしれません。
車選びにも活かせる!サスペンション知識の活用法
ここまでで、「サスペンションって実はすごく大事な部品なんだ!」ということが伝わったと思います。では、その知識を**どうやって車選びに活かせばいいのか?**というのが次のポイントです。
1. 乗り心地の違いはサスペンションで決まる!
「この車、フワフワしてて快適」「あの車はしっかりしててカーブも気持ちいい」――そんな違いの正体は、ほとんどの場合サスペンションです。
- 衝撃をやさしく受け止める→快適なクルマ旅ができる
- カーブでしっかり踏ん張る→ワインディングロードも楽しい
- 路面にタイヤが吸いつくような感覚→長時間でも疲れにくい
こうした体感は、カタログスペックではわからない領域。だからこそ、実際に試乗してみるのがとても大切なんです。
2. グレードや車種ごとの「サスの違い」に注目!
じつは同じ車種でも、グレードや駆動方式の違いでサスペンションの形式が異なることがあります。
たとえば:
- コンパクトカーの標準モデル → トーションビーム
- 上位スポーツグレード → マルチリンク
- FF(前輪駆動)とAWD(四輪駆動)でリアサスが違う
知らずに買うと「思ったよりゴツゴツする…」「コーナーで踏ん張らない…」と後悔してしまうことも。試乗+足回りのチェックはセットで行うのがおすすめです。

サスペンションの知識は、カーマニアだけのものではありません。「自分の用途に合った車を選ぶ」という誰にでも役立つ判断材料になるのです。
まとめ|乗り心地は“バネ”で決まる!?
今回は、車の走りや乗り心地に大きく関わる「サスペンション」について、仕組みから形式の違い、そして車選びへの活かし方までじっくり解説してきました。
サスペンションの役割は、ただ衝撃をやわらげるだけじゃありません。車の安定性を保ち、タイヤを路面にしっかり押しつけ、ドライバーの意図に忠実な操作性を実現するための要です。
そして、その形式にもいろいろな種類があり、
- マクファーソンストラット:シンプルでコスト効率抜群
- ダブルウィッシュボーン:スポーツ向きの高性能型
- マルチリンク:快適性と操作性を両立
- トーションビーム:安くて丈夫、実用性に優れる
- リジッドアクスル:オフロードに最強の頑丈さ
と、それぞれに強みと弱みがあります。
つまり、「この形式が一番!」という絶対的な答えはなく、目的や使い方に合ったサスペンションを選ぶことが何より大切なんですね。
車を選ぶとき、「カタログスペック」や「見た目」だけでなく、「どんなサスペンションが使われているか」「乗り心地はどうか?」という視点を持つだけで、より満足度の高いカーライフが送れるはずです。
そして何より、乗ってみることが一番の答えです。ぜひ、気になる車は試乗して、足回りの感覚もチェックしてみてくださいね。
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よくある質問
- Qサスペンション形式って運転にどんな影響があるの?
- A
とても大きな影響があります。たとえば、マルチリンクやダブルウィッシュボーンなどは、タイヤの角度や動きが細かく制御できるので、コーナリング中もタイヤがしっかり接地しやすく、ハンドリングが安定します。
一方、トーションビームのような形式はシンプルですが、乗り心地が硬めになりやすく、荒れた道では跳ねやすい場合も。ただし、最近の車はチューニングが進んでいて、大きな差を感じにくいこともあります。
- Q「トーションビーム=安っぽい」って本当?
- A
一部のユーザーがそう感じるのは事実ですが、それは必ずしも正解ではありません。トーションビームは部品が少なくて頑丈・安い・広い室内が確保できるというメリットがあるため、コンパクトカーには最適です。
高性能車でも設計がよければ驚くほど快適な走りを実現できます。つまり、「安いから悪い」というより、「目的に合っているか」が重要なんです。
- Q同じ車種でもグレードや駆動方式でサスペンションって違うの?
- A
はい、違うことがあります! 特にリアサスペンションは、FF(前輪駆動)とAWD(四輪駆動)で形式が異なることが多いです。
また、スポーツグレードだけマルチリンク式を採用するケースも。見た目や価格だけで選ばず、「このグレードにはどんなサスペンションが使われているのか?」もチェックしておくと後悔の少ない車選びができます。






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